「何を考えているかわからない」少女・玲奈はどう生まれた?『Rain98』ディレクターに聞く黒い瞳、雨音、ルーズソックスへのこだわり【TGS2026】
C#4R4CT3R開発的『Rain98』ディレクター肖恩T在TGS2026访谈中,讲述玲奈角色设计与20种以上雨音等制作细节。游戏10月推出体验版,PC(Steam)版预计2026年发售。
C#4R4CT3Rが開発する『Rain98』は、90年代末の東京を舞台に、現代からタイムスリップした主人公と玲奈との奇妙な共同生活を描くサイコスリラー・ロマンスアドベンチャーです。
今回、「東京ゲームショウ2026」の会場で『Rain98』ディレクターのショーンT氏らにインタビューを実施。企画の原点から、作品に込めたテーマ、玲奈のキャラクターデザイン、20種類以上用意されているという雨音へのこだわり、さらには印象的なルーズソックスのシーンまで、さまざまな話を伺いました。
現代の閉塞感と1998年の世紀末――『Rain98』はどこから生まれた?
――まず、簡単に自己紹介をお願いします。
ショーンT氏:『Rain98』でディレクターを務めているショーンTと申します。よろしくお願いします。
――『Rain98』というゲームはどのようなきっかけから企画が始まったのでしょうか。
ショーンT氏:企画が始まったのは、今から2年ほど前の年末くらいです。ちょうどインディーゲーム市場が盛り上がってきていた時期だったので、「僕らも何かゲームを作りたいな」というところから始まりました。
僕自身が好きだったり、イメージを膨らませやすかったりするジャンルとしてまずはノベルゲームを作ってみようと考えたんです。
そこから「どんな企画にしようか」と考えていたなかで、ちょうど僕が行ったK-POPアイドルグループ・IVEのライブで、Y2Kをテーマにした楽曲を聴く機会がありました。
そのときにインスピレーションが湧いて、「90年代末の世紀末を過ごすようなノベルゲーム・アドベンチャーゲームを作りたい」と思ったのが企画のきっかけになっています。

――舞台を1998年にした理由も、そこに繋がるのですね。
ショーンT氏:そうですね。最初のきっかけはそこだったんですが、そのあと企画を考えていくなかで今の時代が持っている閉塞感というか、「なんとなく世の中がもうすぐ滅びそうだな」というような感覚が、日本の1998年や1999年ごろの雰囲気とすごくマッチするんじゃないかと思ったんです。
そこで、「もし現代の人間が過去へ戻って、あの世紀末で“世界を滅ぼす”という役割を与えられたら、どういう行動をするんだろう」と考えました。それをゲームの企画へ落とし込んでいきました。
――本作を作るうえで、大事にしているテーマはありますか。
ショーンT氏:この作品にはいろいろなテーマがあります。まだ全部を語ることはできませんが、大きなものとしては「この不安のある時代を、どう生きていけばいいのか」という部分がひとつのテーマになっています。
――本作では「雨」が非常に印象的に使われています。雨を重要なモチーフとして選んだ理由を教えてください。
ショーンT氏:雨というものが持っている象徴性やイメージが、1998年、1999年ごろの当時の空気感と合うと感じたのがひとつあります。どこか少し暗くて、淀んでいるようなものを表現するのに雨が合うんじゃないかというところですね。
もうひとつ、雨が降ることで、ものとものとの「境界線」がだんだん曖昧になっていくという部分も意味合いとして大事にしています。
「何を考えているかわからない」雨原玲奈。黒い瞳やサウンドに込めたこだわり
――玲奈というキャラクターは、どのようなところから生まれたのでしょうか。
ショーンT氏:玲奈というキャラクターを考えたときも、先ほどお話ししたIVEのライブがひとつのきっかけになっています。
ライブ中レイちゃんが制服姿で歌っていた姿をみて、その子がもし自分たちのゲームに登場するとしたら、どういう存在になるんだろうと考えたところが玲奈を作り始めたスタートです。
そのうえで、玲奈にはある種の「時代の象徴」のようなキャラクターになってほしいと思っています。
1998年、1999年ごろは「リング」などのジャパニーズホラーが非常に強かった時代でもあるので、アーティストとも相談しながら、とにかく少し不気味な雰囲気を持っていて、何を考えているのか分からない、どこか得体の知れないキャラクターにしたいと考えて生まれたのが玲奈です。

――玲奈は特に黒目が印象的なキャラクターだと感じました。そこにも意図があるのでしょうか。
ショーンT氏:そうですね。最初はいくつか玲奈のキャラクターデザイン案があって、そのなかには瞳にハイライトが入っているものもありました。ただ、この子は「目の中が見えない」というか、何を考えているのか分からないほうが合っていると思ったんです。
いくつかのパターンを比較したなかで、黒目が大きくて中に何もないような少し虚無的な感じが、彼女にはすごく合っていると思って選びました。
――ビジュアル制作のうえで、特に大事にしていることはありますか。
制作スタッフ:雨がひとつのキーワードになっているので、湿度まで伝わるように雨の表現にはこだわっています。
また、本作はかなりゆっくりと時間を過ごすゲームなので、本当に玲奈と一緒に過ごしているような臨場感が伝わるように、細部までこだわっています。キャラクターが本当にそこにいるように感じてもらえるよう描いています。
――サウンドも非常に印象的でした。音については、どのような部分にこだわっていますか。
ショーンT氏:本作は全シーンに合った効果音や環境音を、かなり綿密に設定しているので、おそらく効果音だけでもほかのゲームの何倍以上というくらいの数があります。それらはすべて、あの世界に本当に自分がいると錯覚するような没入感を生むためのものです。
あらゆる角度から検証しながら「最高の音を作る」ということを目標にサウンドチームと話して制作しています。
特に雨の音だけでも、ゲーム全体では20種類以上あるので、そのシーンの感情やそこで表現したいものによって細かく音の種類を変えています。それくらいサウンドにはかなり力を入れていますね。
――実際にプレイしていても、かなり臨場感を感じました。では、ゲームとして実際に触れる部分についても伺います。内職のシーンは、昨年試遊したときよりかなりプレイ感が良くなったように感じました。そのあたりも調整を重ねているのでしょうか。
ショーンT氏:そうですね。内職自体はかなり早い段階からできていたんですが、プレイするたびに「もう少し良くなるんじゃないか」と考えて、アップデートを繰り返しています。
内職でお金を稼いで、そのお金を使って玲奈といろいろなことをして遊べるというのがひとつのゲームシステムのコンセプトになっているので、とにかく「遊び心地」というか、プレイしていて気持ちいいことや作業しているなかでの心地よさを設計できるようにずっと考えながら作っています。
もしかすると製品版に向けて、さらに変わるかもしれません。

――もうひとつ、ルーズソックスを玲奈に履かせるシーンがかなり印象的でした。あの場面についても聞かせてください。
ショーンT氏:ルーズソックスのシーンは……何と言うんでしょうね(笑)。「こういう体験をさせたい」というところから逆算して設計したというよりは、ストーリーのなかで自然に描かれていったシーンです。
実は一度完成していたんですが、今後公開する体験版に向けて全体を刷新した際に、ルーズソックスのパートもすべて絵を描き直していますし、絵も追加しています。それくらいこだわっているシーンですね。
ある種のフェティシズムというか、あそこで玲奈との関係性が見えてきたりとか。普段現実ではなかなかできないような体験のはずなので、すごく面白いシーンになっているんじゃないかなと思っています。

――では最後に、プレイヤーの方へメッセージをお願いします。
ショーンT氏:10月にいよいよ体験版が出ます。
本作について情報だけ知っていて実際にはまだ触ったことがないという方もたくさんいると思うんですが、一度完成していたものを全部見直して作り直したくらいにはすごく力を入れて体験版を制作しています。
ぜひ楽しみにしていただければと思います。
――ありがとうございました。
『Rain98』はPC(Steam)にて2026年発売予定です。
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