跳到正文
GameSpark·· 3 小时前AI 评分50

因成本低?为故事?还是《Hades》影响?——中日韩《Cinderia》《魔女の庭》《CRYMELIGHT》开发者谈为何做肉鸽,答案各异

安く作れるから?物語のため?それとも『Hades』の影響?──日中韓のローグライク開発者3人に「なぜローグライクを作るのか」と聞いたら、答えは三者三様だった

AI 导读

中日韩《Cinderia》《魔女の庭》《CRYMELIGHT》三开发者在访谈中给出制作肉鸽游戏的不同理由。其中《Cinderia》2026年3月开启Steam抢先体验,10天售出10万本;《魔女の庭》2026年8月正式发行获Steam“非常好评”;《CRYMELIGHT》定档2026年11月5日发售。低成本、叙事需求与《Hades》影响是主要动机。

正文

東京ゲームショウ2026(TGS2026)の会期中だった2026年9月20日(日)の夜、東京・有楽町の「UKIYO GAME BAR」に、国も会社も異なる3本のローグライクアクションの開発者が集まりました。

集まったのは、国も立場も異なる3人の開発者。中国のMyACG Studioが手がける『Cinderia』プロデューサーの小雨(Xiao Yu)氏、韓国のTeam Tapasによる『魔女の庭』リードプログラマーのキム・ミンス氏、そしてフリューの『クライムライト/CRYMELIGHT』でプロデューサー・ディレクターを務める礒部たくみ氏です。

『Cinderia』は、2026年3月のSteam早期アクセス開始からわずか10日で10万本を売り上げた話題のダークファンタジーローグライト。『魔女の庭』は2026年8月に正式リリースを果たし、Steamレビューでも“非常に好評”を博す一作です。そして『クライムライト』は、「クライ」シリーズ最新作として2026年11月5日(木)の発売を直前に控えています。

『Hades』のヒット以降、すっかり定番ジャンルとなったローグライクアクション。3人はなぜこのジャンルを選び、どう作り、どこへ届けようとしているのでしょうか。当日の午前中にTGS2026のイベントステージへ登壇し、2人協力モードや新キャラクターを発表したばかりの小雨氏は全編を日本語で、キム氏は通訳を介して、ざっくばらんに語り合ってもらいました。

――まずは改めて、自己紹介と、いま手がけている作品の特徴を教えてください。

礒部たくみ氏(以下、礒部):『クライムライト/CRYMELIGHT』(以下、『クライムライト』)でプロデューサーとディレクターをしている礒部です。ジャンルはたぶんどこも同じローグライク系だと思うので、そこはあえて触れずにいくと、やはりキャラクターが『クライムライト』の特徴かなと思っています。女の子たちが涙を流しながら、自分たちが犯した罪を後悔したり、苦悩したり、懺悔して昇華して、罪に意味を与えていく――つまり、かわいい女の子たちが泣くゲームです。

小雨氏(以下、敬称略):『Cinderia』のプロデューサーを務めている小雨です。プレイヤーに向けて言うなら、ダークファンタジーのゲームです。開発者に向けて言うなら、『Hades』ライクです。とにかくローグライクで、画面は『Cult of the Lamb』に近い、日本のアニメ系デザインの『Hades』に似たゲーム……といえばいいでしょうか。特徴は、選択によってキャラクターの動きやスキルなどを自分で決められるところです。

キム・ミンス氏(以下、キム):Team Tapasでリードプログラマーをしているキム・ミンスです。『魔女の庭』は、“糸の魔女”であるシルを操作して、ほかの魔女たちを力で説得して、ティーパーティーに連れていくゲームです。Team Tapasが得意とするかわいいキャラクターと、かわいいアクションを最大限に生かしました。アクションローグライクとしてのジャンル的なおもしろさをしっかり押さえつつ、できるだけ入門しやすいプレイを意図して作っています。

“本当のことを言うと、ローグライクは安く作れる”―なぜローグライクを作るのかという問いに対する意外な回答

――ラフな質問になりますが、皆さんはなぜローグライクを作ろうと思ったんですか?

キム:最初にプロトタイプを作ったときは、『Vampire Survivors』を少し参考にして開発を始めたんです。ただ、アニメーターのソンウォンさんがいろいろと頑張ってくれて、開発を進めるうちに、全体的なアクションのクオリティがかなり良いものになりそうだという手応えがありました。それならアクションをもっと生かしつつ、できるだけコストを抑えながら開発できるジャンルは何だろうと考えていくと、自然と『Hades』のような作品が思い浮かんで、アクションローグライクとして開発することになりました。

小雨:僕は……どう答えればいいでしょう。本当のことを言うと、ローグライクは作るのにかかるお金が少ないんですよね。

――制作コストが低い。

小雨:はい。同じシーンを何回も使えるので、小さなチームに向いているんです。たとえば『ディアブロ』のような、少し昔の大きなゲーム。ああいう何百個ものシーンがあるゲームを作れたら、やっぱりもっとおもしろいんですよ。でもローグライクは、シーンが100個以下でも、プレイヤーに長い時間遊んでもらえる。なぜローグライクを作るのかと聞かれたら、やっぱりこれなんですね。

――キムさんのお話とも重なりますね。礒部さんはいかがですか。なぜローグライクだったのか。

礒部:『クライムライト』は、お話の上で「何回もやり直すこと」に実はけっこう意味があって、それを使った演出も多いんです。たとえば体験版だと――Team Tapasさんには今朝遊んでいただいたんですが――冒頭でやられて、時間が戻って、オープニングになる。何回もやり直して、最後までいくとその意味がわかる仕組みになっています。それと相性がいいのが、何回もやり直すローグライクだったんです。

あとは皆さんが言っているとおり、やっぱり『Hades』の影響が大きいですね。ひと昔前のローグライクは、今ほどメジャーなジャンルではありませんでしたが、『Hades』をきっかけにかなり普及して、ユーザーの認知度は高まりました。シナリオ的にも合っているし、皆さんが遊び慣れたジャンルにもなったことだし、今回はローグライクでいこうと決めました。

――作りたい表現に対して、ローグライクの仕組みが合っていたと。

礒部:そうですね。お話と世界観を最大限に生かすための要素のひとつとして選んでいます。

――『Hades』や『Vampire Survivors』の名前が出ましたが、それ以外にも「これはすごかった」「影響を受けた」というローグライク、ローグライトがあれば教えてください。

キム:これはチームとしてというより、僕個人の話になりますが、高校生のころからインディーゲームがすごく好きだったんです。なかでも『The Binding of Isaac』は、インディーでローグライクを大衆化させた作品ですから、個人的にも大好きで、たくさん遊びました。『Hades』も楽しみましたし、日本のインディーゲームだと『ビビッドナイト』と『ビビッドワールド』も、すごくおもしろかった記憶があります。あとは当然『Hades II』に、『Cult of the Lamb』も。

『The Binding of Isaac』

小雨:好きなゲームはけっこうありますが……韓国インディーの『Skul: The Hero Slayer』が好きなんですよね。初見では、絵のクオリティなどが『Hades』のように「お金を使っているな」とは見えなくて、最初は正直、そんなにおもしろくないだろうと想定していたんです。システムも一見、『星のカービィ』にインスパイアされたのかなというものなんですが、遊んでみると中身の量がすごすぎて。ひとつの頭骨のなかに、別のゲーム1本分の内容が入っているんですよ。熱を感じる作品です。

ローグライクの一番いいところは、やっぱりお金が必要ないところなんです。偉大な作品という意味では……『Slay the Spire』をローグライクに含めるなら、それはもう言うまでもないですね。

礒部:日本は、インディーの文化が根付くまで――最近はもちろん違いますが――ほかの国に比べると体感として遅かった気がしていて。コンシューマーでは昔から『風来のシレン』や、それこそ『トルネコの大冒険』があって、ジャンル自体はあったんです。それが『Cult of the Lamb』あたりから、少しダークで、ダークポップというか、トゥーン寄りの世界観×ローグライクというものが流行っているのかなという印象を持っています。なので個人的には『風来のシレン』『トルネコ』から影響を受けているといえますね。最近で言うと『Cult of the Lamb』、そして『Cinderia』と『魔女の庭』って感じですね。

小雨:ちょっといいですか、『Hades』には少し文句があるんですよね。もともとローグライクは、プレイヤーが勝手に死んで、それで成立する形だったんです。でも『Hades』からは、「死ぬことをシナリオのひとつに組み込むべきだ」となって、作る難易度が高くなったんですよ。『The Binding of Isaac』は、死ぬことがシナリオの一部というわけではないですよね。

――『Hades』の登場と世界的な成功で、作り手のハードルが上がってしまったと。

日本の「同人」と「インディー」は何が違う?

小雨:……すみません、ちょっと言いすぎました。それと、「日本はインディーが遅かった」というのは、僕から見ればちょっとおかしいんです。日本が一番インディーがあるんじゃないですか。「同人」という。

礒部:日本は『スペースインベーダー』から始まって、ファミコンと、コンシューマーの文化が昔から根付いている印象です。。それがベースにあるので、やっぱり大手のパブリッシャーが強いイメージがありました。ただ、SNSが発展して個人の発信力が上がってきたタイミングで、インディーの文化が表に出てきた。文化自体はたぶんあったけれど、インディーゲームがユーザーの目に留まるようになったのは、やっぱりSNSが広まってからじゃないかなと。それまではコミケのような、少しマイナーな印象が強かったので、昔からあったにしても、オープンになってきたのはSNS以降――そんなに最近というほどでもないですけど――というイメージです。

小雨:少し長くなるんですけど、僕から見れば、日本と欧米の文化の違いだけなんですよ。同人の定義は「趣味でやっている」ことですよね。お金儲けのためなら趣味にならない。でもインディーも、趣味でやっているんです。ただインディーは、「趣味だからこそ、ああいう大きな会社を倒せるんだ」と考えて作る。出発点は同人とまったく同じなんですよ。

礒部:根っこは同じだよね。

小雨:ただ日本だと、「僕は同人で、趣味で作っているんだ」というところから、大きな会社を倒すところまでは想定しない。たぶん、そこがインディーとの違いです。すみません、長くなりました。

礒部:逆にキムさんから見て、今の小雨さんの話にあったような日本のインディーの文化って、韓国からはどういうふうに見えていますか?

キム:外国人の立場でそれを正確に、深く知るのは難しいんですが……僕は中高生のころ、韓国でも広く知られていた同人作品、たとえば「東方Project」や、TYPE-MOONの作品――当時は同人作品でしたよね――に触れていました。韓国でもいろいろな経路で、口コミで知られていたんです。

同人とインディーを日本でどう区別しているのかは、韓国人の立場からもわかりにくくて、正直、似て見える部分もあります。ただ僕も、どちらも「自分がやりたいことをやる」という点で、確かに似ていると思います。

日本のインディーについては、2010年代の半ばごろに『Downwell』をすごく楽しく遊んだことがあって。「日本でもこんなにかっこいいインディーゲームを作るんだ」と初めて認識したきっかけが、僕にとっては『Downwell』でした。それ以降、BitSummitのようなイベントも楽しく見ています。インディーと同人が合わさって生まれる日本の多様な文化の層の厚さは、ある意味とてもうらやましいですね。韓国でもインディー文化はいまやかなり定着して、うまくいっているので、ぜひ期待してほしいと思います。

バランス調整の流儀―「プレイヤーは自分たちの想定よりうまくない」

――さて、再び話をローグライクに戻したいのですが、ローグライクは同じ体験を何度もプレイヤーにさせるジャンルで、バランス調整がすごく難しいと思います。どこまでをデータで判断して、どこからを感覚で決めているのか。それぞれ教えてください。

礒部:『クライムライト』は、発表とほぼ同時にバトル部分をイベントに出展したりバトル試遊版を配信したり、ユーザーさんの反応や感想を見ながら、狙っている層にとって難しいのか簡単なのかを判断しています。調整で難しいのは本作の特徴でもある「ポーカーシステム」ですね。

このシステムではビルド構築にトランプを模した「クライムカード」を用いるのですが、ポーカーの役ができると一気にスキルレベルが上がるので、ぶっちゃけ運の要素がけっこう大きいんです。極論、役が何もできずに進む場合と、一発でロイヤルストレートフラッシュができてしまう場合とでは、明らかに体験が変わってしまう。そこは、どれくらいの役ができるかという確率を最初に出したうえで基準値を決めて、ロイヤルストレートフラッシュが出たときは「めっちゃ簡単じゃん、気持ちよすぎ!」という爽快感重視で遊んでもらおう割り切っています。

とはいえ、やってもやっても調整は終わらないので、ゲームショウでもユーザーさんのフィードバックをもらって、ひたすら意見を聞きながら調整しています。

――ここまでの反応はどうですか?

礒部:両極端ですね。「難しすぎる」と「簡単すぎる」の2つが出ています。難易度設定はもちろん入れていて、物語をメインに楽しめるストーリーモードだと――ローグライクでやっていいのかはわからないんですが――普通は一番最初からやり直しになるところを、死んだステージの最初からやり直せるシステムも入れて、苦手なユーザーさんへの対策をしています。一方、バトルの歯ごたえも楽しめるノーマルモードだと、ローグライクとしてちゃんと最初に戻る。敵の強さだけでなく、そういうシステム面でも難易度を変えています。

小雨:いろいろ話せますね、長くなりますけど。まず、バランスに何の意味があるのか。僕は、バランス自体にはあまり意味がないと思っているんです。

日本だとちょっとわからないですが、中国や韓国でよく遊ばれているゲーム――Blizzardのタイトルや『リーグ・オブ・レジェンド』などは、バランスがすごく良いと評判で、「バランスが良いこと」がそのまま「良いゲーム」の基準になっています。でも、なぜバランスが良いといいのかを考えると、選べるものが多くなるからなんですよ。遊べるものが増えて、充実度が上がる。だからバランスを作るときは、勝率を50%にする必要はなくて、たとえばキャラクターが選ばれる率を平均にすれば、ゲームはおもしろくなるんです。

数字を設定する話は職人的なもので、あまりおもしろくないと思いますが……スキルをデザインするときは、ちょっと危険な言い方なんですけど、「プレイヤーは最善の選択をしない」という前提で数値を決めます。たとえば『Slay the Spire』のようなゲームで、「攻撃してダメージを与えて、カードを1枚捨てる」というカードがあるとします。ここは、あえて捨てるカードが「使える(本来捨てるはずのない有用な)カード」だと想定して数値を設定するんです。そうすれば実際のプレイヤーは、ほぼ必ず要らないカード(開発の想定よりは価値の低い)を捨てるので、プレイヤーが得をして、ゲームがおもしろくなる――みんなに「自分は賢い」と感じてもらう仕組みを仕込んでいくんです。

そういう小さなテクニックがいろいろあって、あとはデータを収集する仕組みを入れる。それでも後半は、どう設定してもバランスが取りきれないので、プレイヤーから意見を集めるのが重要になります。そこもまた複雑な話なんですが……。

礒部:今の話、いいことを言うなと思って聞いていました。純粋に参考になります。

――プレイヤーのレベルは、どのあたりを想定して作っているんでしょう。

礒部:『クライムライト』の場合は、ターゲットをかなりはっきり立てています。うちのタイトルを遊んでくれるのは、これくらいの年齢の、こういうユーザーさん。それならこういう類似タイトルを遊んでいるはずだから、これくらいのアクションスキルはあるよね、というところを基準にする。そこから、より難しい難易度と、もう少し簡単な難易度を設定する、という考え方です。

キム:ここは僕たちも、ものすごく試行錯誤を重ねた部分です。『魔女の庭』の難易度は現在イージー、ノーマル、ハードの3つで、そこにオプションとして「ダッシュに無敵を付けるかどうか」をユーザーが切り替えられるようになっています。

実は、僕たちが最初に想定していたのは「ハードで、ダッシュに無敵時間を設けない」というものでした。でも周りでできるだけたくさんテストプレイをしてもらうと、思った以上に多くの人が、ダッシュに無敵がないことをすごく理不尽に感じていたんです。ハードの難易度も、想像以上に難しいと感じる層が多かった。そこでかなり悩んで、内部的な基準を決めました。「自分たちがプレイしてクリアできたなら、ユーザーは自分たちよりもう少し苦手なはずだ。数値で言えば、だいたい30%くらい」。これを基本にして全体の数値を決めています。ノーマルとハードでは体力の数値に33%ほどの差があるんですが、そうした数値を基準にして調整しています。

――小雨さんのお話と通じますね。作り手が想像するより、プレイヤーのスキルは高くはないと。

クリアしてほしい?それとも「超えてこい」?

――いまの時代、「難しい」はそれなりに宣伝文句にもなります。「クリアできなくてもいい、これを超えてこい」という出し方もあると思うんですが、皆さんはやはり、遊んだ人みんなにクリアしてほしいですか?

礒部:タイトル次第ですね。今回の『クライムライト』は、お話を読んでもらうためのローグライクというところもあるので、アクションやバトルで引っかかってほしくない。ただ、僕が以前作っていた『REYNATIS/レナティス』では、クソ難しい裏ボスを入れて、「これに勝てない人は、シークレットエンディングを見なくてもいい」という割り切りにしていました。ユーザーさんが何を求めているか、作り手がどういうゲームにしたいか次第で、どちらも正しいと思います。

小雨:僕は、どちらでもいいんですよ。プレイヤー自身が喜んでくれれば。僕は相対的に、自分の意思を表現したいタイプの作者ではないと思いますね。

ただプレイヤーの話で言うと、これは僕自身の認識なんですが、欧米のプレイヤーは、たとえば『Slay the Spire』のアセンションのような段階式の難易度を全部クリアしたら、「このゲームはもう終わり」と考える人が多いと思います。でも中国のプレイヤーには、「そこからが始まり」という感覚の人が多いんですよ。韓国の人もたぶんそうだと思います。PvPのゲームをやり込んできたから、「全部わかってからがゲームだ」と考える人が多いんですね。だから、地域・文化によってけっこう変わります。

キム:作ったコンテンツはできるだけ全部クリアしてほしい、というのがすべての開発者の気持ちじゃないでしょうか。

実は、僕たちのゲームに難易度選択を入れるかどうかという話が出たとき、僕は最初、反対したんです。僕はアクションゲームが大好きで、日本のゲームなら『DARK SOULS』や『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、中国のゲームなら『黒神話:悟空』が好きなんですが、これらには基本的に難易度選択がないじゃないですか。だからアクションゲームのマニアとしては、「難易度選択はないほうがいいんじゃないか」と言っていました。

でも、僕たちの『魔女の庭』には、ローグライク初心者にも入門作として受け入れてもらいたいという願いがあります。キャラクターがかわいくて、世界観も絶望的なものではなく、少し暗くはあってもそれなりに軽い雰囲気の作品なので、それを見て入ってきてくれたユーザーさんのことを考えると、やはり難易度を追加したほうがいいだろうと。

ローカライズと“お国柄”―一人称、飛刀、泣く美少女

――ローグライクは、アクションの気持ちよさや、何度も繰り返す体験が重視されるジャンルです。一方で『クライムライト』も『魔女の庭』もお話を見てほしい作品ですし、『Cinderia』もこれからキャラクターを深掘りしていきたいと伺いました。ローカライズはどれくらい重視していますか?

礒部:ローカライズはすごく難しいです。各言語の知見がしっかりある人でないとできないですし、こちらの意図もくんでもらわないといけない。いまだにユーザーさんから「ここ、違うんじゃないの?」とご指摘をいただくことが多いです。

例えば、日本語だと、女の子のキャラクターでも一人称の数がすごく多いですよね。今回の主人公のアリスは、一人称が「あたし」なんです。「わ」ではなくて「あ」。「あたし」と「わたし」は違うし、漢字の「私」もある。「ボク」なら「ボク」だし、漢字の「僕」だと、ひらがなの「ぼく」より少し大人びている、とか。そういうものすごく繊細な部分は日本ならではだと思っていて、そうした心情やキャラクター性を一言で翻訳しようとすると、知見がないとそれが何なのかもわからない。難しいだろうなと思いつつ、注意しています。

それでもやっぱり、いまだにすれ違いは多いです。重要視はしていても、文字量がすごく多いので……。ユーザーさんにご迷惑をおかけしている部分もあるんですが、「本編では大丈夫ですよ」としっかりアピールしていきます。

キム:Team Tapasも、ローカライズはとても重要だと考えています。特に属性のように、ゲームプレイに直結するすごく重要な単語がありますよね。ローカライズ自体は外部の会社にお願いしているんですが、特に重要な部分はチームのメンバーが直接確認して、個別にリクエストを出すくらい神経を使っています。もちろん全部の言語でそうできればいいんですが、現実的には難しいですけどね。

ただ、うちの原画担当が、実は日本語学科の出身なので日本語翻訳のときには、直接いくつかリクエストを出しています。一人称についても、「このキャラクターはこういう一人称を使うはずだ」と、原画担当みずから指定してくれるんです。

文化的な部分で言うと、僕たちのゲームは韓国の文化が強く出たデザインではないんですが、それでもどうしても入ってしまうものがありますよね。たとえば『クライムライト』は、すごく日本らしい。美少女が出てきて泣く、ということ自体が日本らしいし、すごくかわいい。『Cinderia』も、基本キャラクターが飛刀を投げますし、キョンシーのようなモンスターのデザインなど、あちこちから中国の文化的な特徴が感じられます。僕たちのゲームにも、自分たちでは気付いていないけれど感じられる韓国文化的な特徴が、きっとあるのでしょう。ローカライズはしますが、そういう少しだけ埋め込まれた自分たちのルーツを感じてもらえると嬉しいですね

アートとキャラクター―「一番クズな主人公」と、涙のディレクション

――ちょうどビジュアルの話が出ました。3作とも女の子が主役で、少しダークなところもある。アートへのこだわりや、アクションのおもしろさとかわいさの両立で意識していることはありますか?

キム:正直に言うと、この部分は僕、プログラマーなので……(笑)。

それでも、そばでアーティストを7、8年見てきた立場で個人的に感じていることを話すと、うちのアーティストは、わかりやすすぎるキャラクターをあまり好まないんです。一面的で、見た瞬間に「ああ、この子はこういう子ね」とわかってしまうのはおもしろくない、と考えている感じをときどき受けます。

たとえば主人公のシルも、一般的な主人公像からは思った以上に外れているんですよ。思ったより優しくて、思ったよりいい子なんですが、やっていることを見ると……実はチーム内では、ときどき「一番クズな主人公」と呼ばれています。そういうふうに、キャラクターがいろいろな立体的な面を持つことに、アーティストはすごく気を配っていると思います。

イ・ソンウォン(Team Tapas テクニカルアーティスト):少しだけ補足してもいいですか。今の話でほぼ合っているんですが、アート的に付け加えると、僕たちが一番大事にしているのは、キャラクターそれぞれが個別に違っていなければならない、ということです。なので、これがうちの最大の特徴でもあるんですが、メインキャラクターについては共用のリソースをできるだけ作らないように、すごく努力しています。

基本的には大衆的なゲームなので、見ればすぐにわかるように作るんですが、そこに別の何かを3%、5%、10%くらいずつ混ぜて、それぞれが“違う人”になるようにする。そこにすごく集中しています。

――共用のリソース、というのは?

キム:エフェクトやテクスチャなどを、Aというキャラクターに使ったら、Bには使わない。極力固有のリソースを準備するということですね。

小雨:『Cinderia』のキャラクターデザインも、真面目に精一杯作っています。そのうえでちょっと言いたいのは……成功して有名になったゲームは、よく「キャラデザがすごい」と言われますよね。有名になってからは、プレイヤーやメディアから「このキャラデザこそが、このゲームの価値の80%だ」くらいに言われる。でも僕から見れば、そういうキャラデザに価値があるゲームも、最初はゲーム性を重視したものばかりなんですよ。

日本のゲームは詳しくない部分もあるんですが、たとえば「東方Project」例に挙げましょう。今となっては、価値があるのはやっぱりキャラデザのほうなのかもしれないですが、最初はシューティングゲームとして、音楽と、遊ぶときの爽快さ、弾幕と演出が立派な、ゲームプレイが立派なゲームでした。そういうゲームのなかに、ちょっとおもしろいキャラデザがあった。それが最終的に「キャラデザがすごくいいゲーム」になったんだと思います。キャラデザがメインなのではなくて、それ“も”立派だった、というだけなんです。

――とにかく、まずゲームがおもしろいかどうかが重要なんだ、と。礒部さんはいかがですか。

礒部:『クライムライト』は、一緒に開発してくださっている会社のデザイナーさんがすごく上手な方ということもあって、ユーザーの皆さんからアートに関して高い評価をいただいているのはうれしいところです。今回は僕が画面のルックを作ったり、画面作りもかなりディレクションしています。「不思議の国のアリス」というモチーフがあるので、できるだけ奇妙でおかしく、それこそティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」のような世界を作るために、かなり細かくディレクションしたのが特徴のひとつです。

キャラクターデザインは、やはり本作の要の一つなので、キャラクターが抱えている罪や苦悩をビジュアル化して、洋服のデザインにうまく落とし込んでもらっています。それから「クライ」シリーズと言えば、先ほどキムさんにも言っていただいた「涙を流す」ことが特徴なので、やっぱり目を、そして涙にも注力しました。。目のウルウルとした感じだったり、今回はLive2Dのような表現でアドベンチャーパートを作っているんですが、涙が頬を伝って垂れるところ、瞬きをしたときに涙が溜まって落ちる、といったところもかなり細かくディレクションしました。デザインそのものではないですが、目に関することは、アニメーションも含めて非常に力を入れています。

日本の人はレビューを書かない

来源:GameSpark · gamespark.jp