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4Gamer.net·· 3 小时前精选AI 评分73

Cygames 新品牌 CygamesEdge 公布,首作《崩落の国》11月5日发售

「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

AI 导读

Cygames 在 2026 年 9 月 State of Play 公布新品牌 CygamesEdge,专注小中规模开发。首作《崩落の国》将于 11 月 5 日登陆 PC / PS5 / Nintendo Switch 2,售价 1100 日元,主线初见约 3 小时。品牌制作人滨田修一郎在 4Gamer 采访中说明该品牌以「点」作战、明言不自称独立游戏。

推荐理由

采访揭示了 CygamesEdge 以中小规模开发应对市场两极化的定位,可对照大厂策略。

正文

 インディーゲーム界隈に手を付けている大手ゲームメーカーは,いまとなってはだいぶ数が増えてきた。むしろ,表であれ裏であれ,何もやっていない会社を探すほうが難しい。
 その多くはパブリッシングで,目利きをして,買い付けて,自社の販路に乗せる。大手にとっての“インディー”とは,長らく「外から連れてくるもの」だった。

 ところが,2026年9月の「State of Play」でCygamesが発表した新ブランド「CygamesEdge」は,どうも毛色が違う。パブリッシングもするが,小・中規模開発に特化したブランドを社内に立ち上げ,自分たちで“インディーライク”なゲームを作るというのである。「ウマ娘 プリティーダービー」(iOS / Android / PC)や「グランブルーファンタジー」(iOS / Android / BROWSER / PC)といった“終わらないゲーム”を,物量と品質で押し切ってきたあのCygamesが,だ。
 しかも発表の場は,大作がずらりと並ぶプラットフォーマーの公式番組。小さく作るという話を,一番大きな舞台でやったわけである。

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 背景にあるのは,ここ数年で誰の目にも明らかになった市場の二極化だ。
 開発費が膨らみ続けるAAAと,個人や数人のチームが作るインディー。Steamではその両者が同じ棚に並び,かつて業界を支えていた“真ん中”は,すっぽりと抜け落ちつつある。大規模IPを全方位に磨き上げ,時間をかけて回収するというCygamesの王道は,いまも強い。だが,あまりにも速く移ろうプレイヤーの嗜好に,その王道だけで付き合い続けられるのか。「CygamesEdge」は,その問いに対する同社なりの回答なのだと思う。

 第1弾タイトル「崩落の国」(PC / PS5 / Nintendo Switch 2)は,11月5日に発売されるダウンロード専用タイトルだ。足場を見極め,風を読み,落下を制御しながら,崩れゆく世界を地表へと降りていく“ドラマチック崩落アクションアドベンチャー”で,元をたどれば,社内の有志が業務時間外に作品を持ち寄るゲームコンテストから生まれた企画だという。
 開発は,「CygamesEdge」とゼレオ。コアメンバーは両社合わせて10名弱,開発期間はおよそ1年5か月とのことである。

 そして何より目を引くのが,メインストーリーが初見プレイで約3時間だと,公式が自ら明言していることだ。価格は1100円。少し前まで「ボリュームこそ正義」とされがちだったこの業界で,「うちのゲームは3時間で終わります」と先に言ってしまう。地味ではあるが,相当に勇気のいる宣言であるように思う。

 ブランドが掲げるタグラインは「Stay on the edge.」(尖り続けろ)。では,その“エッジ”とはどんなエッジなのか。大手が言う「尖り」は,失敗したら食っていけない個人開発者のそれと何が違うのか。短期間で作れば残るはずの“粗さ”は,Cygamesの名の下に許されるのか。外部の開発者は,数あるパブリッシャの中から,なぜここを選ぶべきなのか。そして,体力のある大企業が始めたこのブランドは,どうなったら“失敗”なのか……。

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 そんな質問をぶつけた相手は,「CygamesEdge」のブランドプロデューサーを務める濱田修一郎氏だ。
 ゲーム開発会社でディレクターやPMを務め,映像制作会社を経て2018年にCygamesへ入社とのことで,比較的社歴は浅い。しかし同社のコンシューマ事業の立ち上げに関わり,「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」では,企画立案からリリースまでをプロデューサーとして手がけた人物である。
 大作メーカーの中にいながら,本人いわく小・中規模のほうが“本職”とのこと。ブランド名は会社が決めたが,「Stay on the edge.」という言葉は氏自身が選んだものだという。

 綺麗ごとばかりを聞いているわけではないので,インタビュー中に濱田氏が「難しいですね……」と言葉を探す場面は何度もあった。大手が小さく作ることの意味や重要さを,氏自身もまだうまく言語化しきれていないのかもしれない。それでも,「我々がインディーを名乗るのはおこがましい」と言い切り,尖りとは奇抜さではなく,一番届けたい面白さを明確にすることだという定義には,言葉を濁すことはなかった。
 その定義が本物かどうかは,11月5日に「崩落の国」を3時間遊べば分かるはずだ。

CygamesEdgeブランドプロデューサー 濱田修一郎氏
ゲーム開発会社でPMやディレクター,映像制作会社で映像ディレクターを経験後,2018年にCygamesへ入社。コンシューマー事業の立ち上げや,「グランブルーファンタジー」シリーズのコンシューマー作品で製作アシスタントを担当し,「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」でプロデューサーを務めた経歴を持つ。「これ何のポーズですか?」「これは『Edge(エッジ)ポーズ』でして,“E”の字です」 ……ちょっと分かりづらくないですか(笑)
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社内ゲームコンテストと新ブランド構想が,同じ時期に重なったという発端

4Gamer:
 すみません,今日は1日インタビュー続きとのことで,こんな夕方の最後に来てしまって。

濱田氏:
 全部やるんだ,という気合いで(笑)。

4Gamer:
 ありがとうございます(笑)。
 しかし最初のリリースのときの記事でも書きましたが,いまどきインディーゲームをパブリッシングする大手は山ほどありますが,自社内でインディーっぽい動きをするところは,あんまり見かけない気がするんです。
 そもそもこのプロジェクトの発端はどこからなんですか。社内の誰かが実際に「小さいものも作りたい!」と言い出したのか,もしくは渡邊さん(Cygames代表取締役社長の渡邊耕一氏)が「これをやるぞ」と言ったのか。

濱田氏:
 今回の「崩落の国」というタイトルに絡めて言うならば,ちょうど両方が合わさって,という感じでしょうか。
 社内には,不定期で「ゲームコンテスト」というイベントがあるんです。業務時間外に有志でチームを作ったり,もしくは個人でゲームを制作したりして,一定期間で作ったものを社内で発表会にかけ,それを評価するというイベントです。

「社内コンテスト」と軽く言ってるが,2024年の初回開催で約600人が参加して,38作品が提出されていた。かなり本格的かつ大規模だ(Cygames Magazine)
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4Gamer:
 すごくゲーム会社らしいイベントです。

濱田氏:
 そこで優秀賞を取ったものもいくつかありまして,それらが上層部でけっこう評価が高かった,ということがまずあります。そしてそれに対して「これってSteamとかでゲーム化できないのかな」「商品化できないのかな」という話があったんですね。

4Gamer:
 つまり,Cygames社内でそう思われるレベルを十分に満たしていたということですね。

濱田氏:
 ええ。そして一方で,「CygamesEdge」というサブブランドを作ろうという動き自体も,ちょうど同じ時期くらいに構想として始まっていました。それならこれはちょうどいいタイミングなのでは,ということで,第1弾タイトルとしてこの「崩落の国」をやるのがいいんじゃないか,と。

4Gamer:
 どちらがどうというわけではなく,ちょうど両サイドから要望が出た感じなんですね。

濱田氏:
 そうですね。

4Gamer:
 両側からの要望だったということですが,では,濱田さんはどういう経緯でその重要なブランドの「ブランドプロデューサー」になったんですか。

濱田氏:
 まぁ実は,「僕が!僕が!」と手を挙げたわけではないんですよね(笑)。

4Gamer:
 あれ(笑)。
 でもそれならそれでますます気になるんですが,任されるには“理由”があるわけじゃないですか。それはなんだったんですか?

濱田氏:
 そうですね……僕は,2018年にCygamesに入社したんですが,それがちょうどコンシューマ事業の立ち上げのタイミングだったんです。そこで,「グランブルーファンタジー」系のコンシューマ作品だったり,「Shadowverse」のコンシューマ作品だったりで,制作アシスタント的な立ち回りをして,コンシューマ事業全体の立ち上げに尽力してきました。
 その後,「ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!」というタイトルでプロデューサーを務めまして,あの企画に関しては,僕が企画立案からリリースまで全部やったんです。

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4Gamer:
 おお,そうだったんですね。

濱田氏:
 ですので,そういう「1本ちゃんと最初から最後まで作りきれるよ」というところが評価された……のかな,と。
 あとは,やっぱり企業というか組織なので,物事は「こうやりたい」というだけでは進まないわけです。やりたいことを通すために,どうやっていくか。上との関係性の作り方だったり,通し方だったりも含めてやっていかなきゃいけない。
 一方で,ゲームにはちゃんとしたクリエイティブが必要なので,クリエイティブ面もちゃんと見ていかなきゃいけない。その両方を,一定以上どちらもできる,というところを評価してくれたのかな,とも思っています。

4Gamer:
 確かに百戦錬磨感ありますけど,いまおいくつですか?

濱田氏:
 47です。

4Gamer:
 ということはCygames入社前に結構な場数を踏んでますね。その前は何をやってらしたんですか?

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濱田氏:
 もともとゲームの開発会社で,ディレクターだったり,PM的な立ち回りだったりやっていまして。
 その後は,映像制作会社で映像ディレクターみたいなこともやって,そのあとにCygamesに入った,という経緯です。

4Gamer:
 あぁなるほど! 本当に百戦錬磨だったんですね。それで,入って間もないのにそんな大きなプロジェクトを。いや,お話を聞きながら「2018年入社って,けっこう最近だよなあ?」と思ってまして。
 しかし入ってからはコンソール系とおっしゃってましたけど,そういう「大きなこと」をやってきた経験って,逆に「CygamesEdge」をやるにあたって邪魔になったりしませんか?

濱田氏:
 大きなことというのは,コンシューマ事業の立ち上げのことですか。

4Gamer:
 ええ。コンシューマって,やはり大きい話がメインじゃないですか。「CygamesEdge」が扱うような小さいものは,たぶんかつてのCygamesにはそんなにないわけで,その時の経験が「CygamesEdge」にどう活きているのかな,と思いまして。

濱田氏:
 あぁなるほど。それで言うならば,むしろ僕は小さな開発会社を転々としてきた人間なので,どちらかというと,いまのような小・中規模の開発をしてきた実績のほうがあるんです。

4Gamer:
 “本職”でしたか。

濱田氏:
 ええ。いままでやってきたところにとても近いですね。なのでそこに関しては,自分の能力を活かせる部分なのかな,と思っています。

「我々がインディーを名乗るのはおこがましい」

4Gamer:
 「小・中規模」とおっしゃいますが,そういうプロジェクトをState of Playで発表するとは思わなかったです。
 あれはどういった経緯なんですか? もうちょっとインディーっぽい場所を選んだり,タイミングを選んだりしそうなのになと思いまして。

濱田氏:
 いろいろな考え方があろうかと思いますが,我々自身としては,自分たちをインディーとしては考えていないです。

#CygamesEdge とは?

小〜中規模開発に特化したCygames新ブランド「#CygamesEdge」始動!
少数精鋭の機動力と独創的なアイデアで、まだ見ぬゲーム体験を世界へ届けます。

CygamesEdgeについての詳細は公式サイトをチェック!
https://t.co/06R73MJ2FY

— CygamesEdge (@CygamesEdge) September 10, 2026

4Gamer:
 はい,それは理解できますし私も同意です。

濱田氏:
 もちろん,今回ここで出展されている開発者の皆さんのように,たとえば本当に個人の方だったり,小さなチームの方だったりからすると,我々はCygamesの中では小規模とはいえ,ある程度大きな規模と期間をかけてものづくりをしています。ですから,我々がインディーなどと言うのはおこがましいな,と思っている部分があるのは正直なところです。

4Gamer:
 まぁ「インディー」ではないですね確かに。

濱田氏:
 ええ。しかし一方で,我々がこの小・中規模作品で狙っていくターゲットというのは,まさにSteamを中心とした,本当に個人開発からAAAまでがひしめく市場だと思っているんですよね。
 その市場の中で小・中規模作品を使って勝負するということは,必然的にタイトルとしては,やっぱりインディーライクなジャンルだったり,作品だったりになっていきます。
 そういうものとして捉えていますが,我々が「インディー作品を作っている」と自ら言っているわけではなくて,取り組みとしてインディーライクなものになっていくのだろうな,と思っています。

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4Gamer:
 分かります。しかしああいう場所で,いわゆる“大手の発表枠”を使って発表されたので,おそらく世の中の期待は高くなると思うんですよね。「Cygamesだし,言うてもこれくらいのものを出すだろう」みたいな。
 そことの意識のギャップは怖くないですか?

濱田氏:
 そこは……けっこう気を付けて,いろいろと発言しているつもりではあるんです。
 そもそも,メディアの方ならよくお分かりかと思いますが「インディー」という言葉自体が,業界の中でもあまり定義のないものですよね。

4Gamer:
 まぁとてもフワフワしてますね。実体がどこにもない。

濱田氏:
 確かにスピリッツ的なものはあるのかもしれないけど,それをもって「自分達はインディーである」というのもなんか違うんじゃない? とか思ったり。
 スピリッツ的なものの話をするなら,我々もそういったものを持っていますが,決して「我々がインディー作品を作ります」とぶち上げているブランドではないんです。

4Gamer:
 だからState of Playで?

濱田氏:
 State of Playに関して言うと,じゃあどこで発表するのが一番効果的なんだろう,といろいろ話している中で,SIEさんに「今度こういうのがあるんですけど,そこにエントリーするのはどうですか」というお話をいただいたんです。

4Gamer:
 なるほど向こうからのアプローチ。

濱田氏:
 もちろん,我々がOKと返答してすぐ決まったわけではなく,その後SIEさんに改めてプレゼンして審査を経た上でですけどね。 
 State of Playといえばすごい大作ばかり紹介されているイメージがあって,少し気後れしました。でも逆に,大作ばかりだからこそ,差別化されていて注目していただけるかもしれないな,と思ったんです。
 しかも,タイトルだけではなくて一緒にブランドの発表もできるとのことで,すごくいい機会だなと。

4Gamer:
 逆にプラットフォーマーはインディーとかなんとか,そういうのは気にしないですしね。

濱田氏:
 ええ。任天堂さんもそうですけれども,もうインディーとかいう括りは別に気にせずに,業界全体を盛り上げようとしてくださっている,という流れがあると思っています。
 ですので質問に返ると「なぜState of Playだったのか」というよりは,一番ベストなタイミングでオファーをいただいて,そこで我々のやりたいことも合致した,というのが答えです。

4Gamer:
 まぁ自分で聞いておいてアレですが,「じゃあどこで発表するんだよ」と聞かれると困っちゃうんですけどね……。

濱田氏:
 そうなんですよね。あとインディーの文脈って,我々が企業としてやって再現性があるのかというと,なかなか難しかったりします。

4Gamer:
 何がヒットするか的な話ですか?

濱田氏:
 はい。インディーのヒットって,狙ってできるものじゃないといいますか。……少なくとも“ビジネス的に大ヒットを狙った結果”として出ているものって,そんなに多くないと思ってます。
 ですので我々も,いまできるところで最大化する方法を模索した結果が,あの発表の場だった,という感じですね。

Cygames本体は「面」で,「CygamesEdge」は「点」で戦う

4Gamer:
 「CygamesEdge」という名前も,なかなかパンチが効いていていいなあと。「Stay on the edge.」というキャッチもそうですけど,この「エッジ」に込められているのは,どんな“エッジ”なんですか。

濱田氏:
 そこはちょっと僕が考えたところがありまして。

4Gamer:
 お,濱田さんの考案なんですか。

濱田氏:
 「CygamesEdge」自体は,もともといくつかネーミング案があった中で,会社でいろいろな人と話し合って決めた,という感じではあります。で,「『CygamesEdge』になったから,あとはよろしく」みたいな感じで(笑)。

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4Gamer:
 そこまでは上が決めるんですね(笑)。

濱田氏:
 「CygamesEdge」という名前は理解しましたが,その名前をもって動かす中で,何を大切にして,どこを目指すのか,そのブランドの方向性を端的に示すような言葉が必要だと思って,私自身が「Stay on the edge.」(尖り続けろ)という言葉を選びました。

4Gamer:
 その「尖る」の意味は?

濱田氏:
 既存の枠に収まりすぎずに,作品ならではの魅力を研ぎ澄ましていく,という意味ですね。
 一度尖ったものを作って,それで終わりということではなくて,変化する市場だったり,プレイヤーの価値観だったりに向き合いながら,常に新しい表現を,新しい体験を,模索し続ける。その姿勢という意味での「尖り続ける」というところが,「Stay on the edge.」という言葉になっている感じです。

4Gamer:
 なるほどそういう“エッジ”なんですね。たとえば時代の最先端とか,ちょっとアイロニカルに言うと「商業的にギリギリの端っこ」とか,あとは「Cygamesの一番端っこ」とか,いろいろな意味が考えられるなと思ってました。
 ……いやしかし「尖り続ける」というキャッチコピーで言葉遊びをするわけではないんですが,Cygamesは尖ってないんですか?

濱田氏:
 もちろんCygamesも尖っていると思いますよ。
 ただ,僕の考える……というか僕らが考えている「尖る」というのは,単に奇抜であるということではなくて,その作品が一番届けたい面白さは何なのかを明確にして,そこに対して妥協せずに磨き続けること,だと考えています。

4Gamer:
 なるほど。一番重要な部分を大事にする感じで。

濱田氏:
 Cygames本体だって,もちろんそういうことをプロダクトの中でやっています。ただ,Cygamesの戦い方というのは,やっぱり大規模IPで全方位攻撃というか,すべての面を,どこから見てもクオリティを高めて,それを物量でぶつけてくるという,本当に王道のものであると考えています。

4Gamer:
 確かにそうですね。

濱田氏:
 言うならばそれは「面」での尖り方なんです。
 なので,いろんなとこが尖ってはいるんですが,全体がクオリティアップされていくので,バランスのいいレーダーチャートみたいに丸に近づいて見えてしまって。尖りの部分の強調が,どうしても弱くなってしまうんだと思います。

4Gamer:
 多角形の角をどんどん増やしたら円になる,みたいな。

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濱田氏:
 はい。その一方で,「CygamesEdge」は「点」の戦いです。なので,同じ「最高のコンテンツ」を目指していますけれども,それが全方位に向けたものではなくて,やっぱり刺さるターゲットユーザーの人にとっての最高のコンテンツを目指していこう,と考えています。その部分で,尖っているというところは同じ思いです。

4Gamer:
 結果的に同じ「最高のコンテンツを目指す」とはいえ,おっしゃるようにCygamesは大規模で時間をかけて高品質なものを作り出す会社ですから,同じやり方ではないと思うんです。
 つまり,「CygamesEdge」ではたぶん「これはしない」と決めたことがあると思うんですよ。あるとして,それはたとえばどんなことですか?

濱田氏:
 予算と期間が限られているので,必然的にどこか取捨選択になります。
 今回の「崩落の国」で言うと,やはりそこで落ちたのはボリュームですね。

4Gamer:
 そういえば「初見プレイで3時間」と書いてあるのは,なかなか衝撃でした。

濱田氏:
 書いてある意味そのままの,3時間でプレイするゲームです。ただボリュームという話で言うなら,より尖りを強くするために,あえて捨てたものになります。

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4Gamer:
 ステージを増やすことよりは,濃度で勝負,的な感じですか?

濱田氏:
 もちろん,多くのユーザーの皆さんが「10時間くらいのボリュームを求めている」というデータがあったら,10時間のものを作りますし,作ることができたと思います。だけど結局それは,体験としては「尖りが薄い」ものになってしまいます。
 3時間という時間に区切ったことで,たとえば10時間分あったものをぎゅっと3時間に濃縮したわけですから,そこの部分の体験も凝縮される,という形になります。

4Gamer:
 なるほど。正確には「捨てる」というよりは,「CygamesEdge」が選んだ道ということですね。

濱田氏:
 そうですね。

4Gamer:
 そういう「何を選ぶか」のときに大事な部分について聞きたいんですが,予算規模とか開発規模とかに,一定のボーダーラインがあるんですか。ここから下が「CygamesEdge」,ここから上は本体,みたいな。

濱田氏:
 「ここから上が本体」のほうはないと思うんですが,いま動いているタイトルに関しては,だいたいの上限がある感じですね。

4Gamer:
 このへんまでじゃないの? という。

濱田氏:
 そうですね,そこはさすがに申し上げられませんが明確にはあります。

「せっかくの尖りに,ユーザーがたどり着けないことがあってはいけない」

4Gamer:
 ではちょっとそのままの流れで若干質問を変えて,ボリュームを長くすることより濃縮させることを選んだとおっしゃいましたが,つまり,Cygames本体とは違う判断基準があるということだと思うんです。
 Cygamesではたとえば許されなかったようなことも,「CygamesEdge」では尖っていれば大丈夫,みたいな感じなのかと解釈したんですが。

濱田氏:
 「CygamesEdge」だから許されるというより,そもそも「CygamesEdge」は設立の背景の一つとして,市場の変化,プレイヤーの皆様のゲームに対する向き合い方の変化,というのがあると思っています。

4Gamer:
 時代の変化への対応,ということですね。

濱田氏:
 これまでのCygamesは,それこそ「ウマ娘」だったり「グランブルーファンタジー」だったりという大規模タイトルで,全方位にクオリティを上げて,時間をかけて作って回収する,というモデルだと思うんです。
 でも,とくにここ数年,いわゆるAAA型のような大規模タイトルか,もしくは今回出展されている方々のような,本当にインディー的なタイトルか,というところだけがひしめき合っていて,顕著に二極化されているという現状があります。

4Gamer:
 僕も色んなところで書いてますが,本当に二極化が激しいですよね。真ん中がすっぽりなくなりつつある。

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濱田氏:
 Cygames本体は,引き続き大型のものを作り続けていきますし,その形で最高のコンテンツを追求していくと思います。ただ一方で,市場の速いニーズの変化だったり,お客様の変化だったりに対応していくラインも必要だ,という考えで「CygamesEdge」は作られています。

4Gamer:
 ありがとうございます。
 ちょっと質問に戻ってしまうんですが,では「CygamesEdge」のように,少数精鋭で,いまおっしゃったように市場に反応するために素早くタイトルを作ろうとすると,どうしても一定の“粗さ”は残ってしまうと思うんです。その粗さは,Cygamesの名の下に許容されているんでしょうか。

濱田氏:
 イエスかノーかで言うと,イエスだと思います。でもそこは当然,気にしている部分でもあります。
 僕も仕事関係なくインディーゲームをけっこう遊びますけど,コンセプトとか,コアの遊びみたいなものがすごく素敵な発想で面白いなと思うものも多いんですが,たとえばUIが非常に悪くて,コアの楽しさになかなかたどり着けない……みたいなことが結構あります。

4Gamer:
 ありますね……。もったいないなああああああと思いながらやってます。

濱田氏:
 そこは我々がコンソールメーカーとしてちゃんと作ってきた部分であり,そういうところはちゃんと気にすると思います。Cygamesは,とくにUI/UXには非常に気を使っていますので。
 UIやUXの問題で,せっかく尖らせたその尖りにユーザーがたどり着けないということがあってはいけないんです。なので,そこまでのUI/UXの品質だったり,最低限の品質の担保みたいなところは,けっこう意識しています。

4Gamer:
 さすがにそこはちゃんとクオリティ担保をしているんですね。

濱田氏:
 結構難しいですけど,一定のクオリティになるように心がけてやっていますし,そこには……これバランスを取るのが難しいんですけれど,ちゃんとコストを使って,QAだったりもしています,という感じですね。

4Gamer:
 Cygamesという名前を使うにふさわしいクオリティは担保してあると。

濱田氏:
 はい,そうですね。

4Gamer:
 そういう難しいミッションの中で,企画立案からリリースまで,どれくらいの期間を目指しているんですか?

濱田氏:
 この「崩落の国」が,大体1年5か月くらいという感じです。

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4Gamer:
 早い!

濱田氏:
 本当は,もうちょっと早くしたかったんです。最初は1年くらいで……いや最初は,それこそ「半年で作ろう」とか言ってたんですけど,それはなかなか無理で(笑)。

4Gamer:
 半年は相当すごいですよ……。

濱田氏:
 1年くらいでだいたいの部分が出来ていたんですが,その段階になって見えてくるところだったり,「もうちょっと詰めたいな」というところだったり,もしくは先ほどご指摘いただいたような,ちょっとした粗さだったり……そういったものが可視化される段階になりまして。
 今回は「CygamesEdge」の第1弾タイトルですし,会社的にもちゃんとしたものを届けたいという思いがあったので,少し時間をかけて,期間を延ばして,最終的なブラッシュアップをする期間を取って……ようやく完成が見えてきた感じです。

4Gamer:
 いや,まさにそこを聞きたくてですね,あれほど大きい会社の新ブランドの,しかも第1弾タイトルなので,ユーザーも業界もマーケットも「これが『CygamesEdge』のタイトルか」というスタンダードとして認識するはずなんですね。
 そんなわけで,どれくらいの期間で,どれくらいの手間をかけて作ったのかな,というのがちょっと気になっていたんですが,でもその分だと濱田さん的には問題なく「これが『CygamesEdge』である」と言えそうではありますね。

濱田氏:
 そうですね。
 もちろん,僕もAAA級のタイトルをいっぱい触っていますので,そこと比べると,自分で作りながら「もうちょっとここをこうしたいのに!」というところは多々あります。でも一番やりたかったことだったり,一番伝えたかったものだったりは,ちゃんと適切な形で入れられたと思ってますよ。

4Gamer:
 僕さっきブース前でこのインタビューを待っている時間に,前で来場者が2人でめっちゃ盛り上がって遊んでまして。
 10分経って終わって(注:試遊は最大10分と決められていた)席から立ち上がるときに「めっちゃ面白かったーーー!」「いやマジでこれやりに来たんでもう満足」みたいなことを二人で言ってて。

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濱田氏:
 ああ……すごく嬉しいですね,そういうのは。

4Gamer:
 やりたかったことも伝えたかったことも,ちゃんとユーザーには伝わってるように思えますね。

濱田氏:
 いやぁ,すごく嬉しいです。

買い付けて売るだけのブランドではない。求めるのは「喧々諤々やれる」パートナー

4Gamer:
 第2弾も,もう作ってるんですか。

濱田氏:
 はい,すでに並行して数本が動いています。
 1本目から当初の想定より長くかかっちゃったので,実際ちょっと延期したりとかいうことはあると思いますが,理想的には……むろんお約束はできないですけど,年間2,3本くらいの小・中規模のタイトルを,コンスタントに出していけるようにしたいな,と思っています。

4Gamer:
 それは,社内の開発だったり,他社さんとのパートナーシップだったり。

濱田氏:
 はい,そうですね。いくつかの形があると思っています。
 でも基本的には,単純に完成した作品を買い付けてパブリッシングだけするというブランドではないと思うんです。

4Gamer:
 でも一切やらないというわけでもないんですよね?

濱田氏:
 もちろんブランドコンセプトとしてかなり合致するものがあったら,パブリッシングをするということもあろうかと思うんですけど,基本的には,開発パートナーシップを結んだ企業様と一緒に作り上げていくのがベースになるかな,と。
 もしくは,社内の本当にスモールチームで作り上げる,とか。そういうのがあってもいいですね。

4Gamer:
 となると気になるのは……んー,例えば社内のチームで作ったものを「タイトルA」としましょう。外部の方と一緒に作ったものを「タイトルB」とします。
 AとBは,同じ「CygamesEdge」のブランドで出るわけですから,ブランドとしての統一感がけっこうシビアな論点になるかと思うんですが,その部分について,いま考えてることはありますか。

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濱田氏:
 ブランディングという意味だと,ジャンルを絞ったりだとか,「『CygamesEdge』といえばこれです」みたいなものを,明確に決めているわけではないんですよ。

4Gamer:
 なんでも受け入れる?

濱田氏:
 はい,あえてそこは。どんなジャンルでもいいですし,とにかくやっぱり尖った体験が一つあって,そこをコンセプトに作られているゲームであればいいな,と思っています。

4Gamer:
 そういうところも本体とはちょっと違うんですね。

濱田氏:
 確かにCygames本体のほうは,ある程度ジャンル……というか方向性に偏りがあるかなとは思っています。
 「グランブルーファンタジー」のような剣と魔法のJRPG的な世界観だったり,「ウマ娘」だったり「プリンセスコネクト!」だったりの個性が表れたものというか……。

4Gamer:
 キャラクター寄り?

濱田氏:
 そうですね,そういうキャラクター寄りのものが,ブランドイメージとして確立しています。それ以外のジャンルのものが出づらいというか,出しづらいという部分もあるのではと思っています。
 そういった意味で「CygamesEdge」は,そこに縛られない形でいろいろなジャンルに挑戦していくので,将来的にはもしかしたら本体を補完するということもできるのかな,と。

4Gamer:
 開発パートナーの規模もジャンルも問わないということですか?

濱田氏:
 そうですね。極論すると……いやこれ実際はいろいろと難しいところがあるとは思いますけど,極論すると,本当に尖った体験を作りたいというコンセプトに共感してくださって,実際にそれができる人たちであれば,誰であれ一緒にやりたいと思っています。

4Gamer:
 それこそ,いまここ(会場)にいるような個人の開発者も?

濱田氏:
 そうですね,形としてあり得ると思いますよ。

4Gamer:
 では逆に同業は?

濱田氏:
 同業というと,他社さんですか?
 パートナー企業としては,いわゆる開発会社とのパートナーシップというのをメインでイメージしています。同業他社さんみたいな会社さんと何か,というところは,いまのところ想定していないですね。

4Gamer:
 では,今日来ていらっしゃるようなほかの開発者の方で,「CygamesEdge」に見合うタイトルがあったとして,「これなら一緒にやりたい」とお互いに合意したとして……開発者側が「CygamesEdge」と組むメリットは何ですか? パブリッシャが,これだけたくさんある中で。

濱田氏:
 Cygames自体が2011年設立で,ゲーム業界としては比較的若い会社です。だからこそ,既存の型だったり,前例だったりにあまり縛られすぎずに,新しい挑戦を前向きに受け入れる,という土壌があります。
 タイトルや開発チームの事情に応じて柔軟に状況を判断して,その作品ごとに,その尖りを最大化する部分を一緒に考えることができるというのが,我々「CygamesEdge」のパブリッシャとしての強みかな,と思っています。

5月9日(土)、株式会社Cygamesは設立15周年を迎えました?
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— Cygames公式アカウント (@Cygames_PR) May 9, 2026

4Gamer:
 もうちょっと具体的に表現すると,どんなことですか。

濱田氏:
 当然ですけれども,これまでのゲーム開発・運営の経験が豊富ですし,最近は海外拠点とかもできて,グローバル展開というところも培ってきました。そういうノウハウもそうですし,ローカライゼーションやデバッグを担う専門体制もあります。
 言い方が難しいですけど,インディーにはない,大規模開発のバックアップ体制を使えるというところが大きな強みなのかなと思っていますし,それによって,作品性とかを大切にしながら,それぞれの開発会社とかクリエイターの皆さんと最適な進め方を突き詰めていけるのかな,と思っています。

4Gamer:
 確かに,開発会社が持っていないノウハウを山のように持っているわけですから。そこを開発会社からみて「使える」のは,確かに大きなメリットですね。
 じゃあたとえばこのあと,開発会社の方であったりクリエイターの方とお話をしていくときに,「これで行こう」「これはやめよう」という判断は,どうやって,誰がするんですか。

濱田氏:
 ケースバイケースだと思うんですけど,基本的には「どちらからの発信なのか」というところが,まず大きな要素かと思います。
 開発者個人,もしくは開発会社様からの発信の企画なのであれば,その作品の一番伝えたい魅力,尖りというのは何なのか次第ではありますが,そこを最大化するということを我々はサポートしていきます。その中で,たぶん,彼らのやりたいことを,我々の予算とかリソースの中でどう最大化していくかというところが重要なポイントなのかなと思っています。

画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

4Gamer:
 Cygames側からの発信だと違うんですか?

濱田氏:
 ……いえ,話しながら気付いたんですけど同じですね。
 やはり,その作品で一番届けたい面白さは何なのかというところを,お互い一緒に考えていくということが,我々がパートナー企業に求める,ある種条件のようなものなのかなと思っています。

4Gamer:
 その「尖り」とか「伝えたい魅力」については,議論の結果として民主的に決まるものなんですか?

濱田氏:
 意外とそうなんですよ。
 たとえば今回の「崩落の国」は,ゼレオさんという開発会社の人たちと一緒にやっています。開発チーム自体は,うちのメンバーが僕を含めて3〜4人で,ゼレオさん側からも4〜5人,みたいな感じの10名弱のチームで作っています。

4Gamer:
 一瞬「すくな!」と思いましたが,コアメンバーの数ということですよね。

濱田氏:
 ええ,コアメンバーに関しては,ですね。アートのリソースだったり,スポットでいろいろ入るスタッフは結構いるんですが,コアメンバーはそれくらいです。
 そんな少人数でやっていくと,パブリッシャのプロデューサーの言葉って,けっこう威力が“強く”なっちゃうところがあるので,僕自身も全部独断で決めるような感じにはしたくないと思っています。とはいえ,やっぱり僕としては「こう思う,こうしたい」というところは,ちゃんと打ち出していっているつもりではありますが。

4Gamer:
 その「強くなっちゃう」のはよく分かります。

濱田氏:
 社内でもそうなりがちなんですけど,たとえば10人くらいのチームでみんなでディベートして,「これどう思う?」と僕から聞いたら,なかなかみんな発言しないんですよね。いいとも悪いとも,なんとも言わなかったりする。

4Gamer:
 容易に想像できます。

ゼレオの開発実績には蒼々たるタイトルが並ぶ
画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

濱田氏:
 ゼレオさんのいいところは,スタッフさんが正面から立ち向かってくるところというか(笑)。
 「僕はこう思うんだけど,どう思います?」と言うと,「いや,それは○○じゃないですか」「これはダメじゃないですか」とか,普通に全然否定してくるんです。パブリッシャのプロデューサーの言葉を否定することを恐れないというか。

4Gamer:
 いいですねえ。

濱田氏:
 僕もそれはありがたいんです。「こういう視点もあるんだ」と気付かされますし。それでもなお譲れなければ,「僕としては,ここは譲れない」みたいな,本当のディスカッションになりますよね。
 お互いが「いいものを作ろう」という意識があったうえでの議論があって,最終的にいい感じのところに着地するというのが,そここそが本当にゼレオさんの信頼できるところだと思ってます。

4Gamer:
 出来れば全部そうしたいですか?

濱田氏:
 ほかのパートナー企業様とも,そんな感じで真摯にわいわいとやっていきたい,と考えてます。
 当たり前ですが「これはこうなのだ」というのは,もちろん僕なりの回答はあります。出さなきゃいけないときは出しますけど,それですべてが決まっているわけではないですね。

4Gamer:
 いや本当にイエスマンだけだと困っちゃいますよね。

濱田氏:
 逆に不安になっちゃいますね。大丈夫なのかな,と。

4Gamer:
 分かります……。

「金があるから尖れるんでしょう」にどう答えるか

4Gamer:
 それにちょっと似たような感じなんですが,言うても大手ゲーム会社ではあるので,そんな大手が「尖ります」と言ったところで,たとえばこの会場にいる本物のインディーの方もそうですし,ユーザーもそうですが,「カネがあるから尖れるだけでしょ」みたいに思ってしまう部分が少なからずあると思います。
 個人のインディーなどが持っている,「失敗したら俺はもう食っていけない」という部分のヒリヒリ感がない状態で,どうやってその“尖り”を担保するんですか。ブランドとして。

濱田氏:
 ……答えるのがなかなか難しいところですね。答えられない,ではなくてどう言うのがいいかな,という。
 先ほどもお伝えしたような気もしますが,“尖り”というのは,単純に奇抜であるということではないと思っています。このゲーム,この作品で一番やりたいことは何なのか,面白い,伝えたい,共有したい面白さは何なのか,というところを本当に分かりやすくしたところが「尖り」だと思っています。

4Gamer:
 はい,分かります。

画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

濱田氏:
 僕はプロデューサーです。事業全体の責任を担っているからこそ,シビアな言い方をすると,やっぱり事業性として成り立たないもの,成り立ちそうにないものというのは,最初の時点で,候補から落とすということがあると思います。
 ただ,勝ち筋を見つけて「やる」と取り組んだものであれば,それは最後まで諦めずに向き合っていくつもりですし,それが他社様から,もしくは開発者様からの発案のものなのであれば,そこを……なんでしょう,こちらからねじ伏せてまで,作品として出すみたいなのは,やりたくないというか,やらない,と思います。

4Gamer:
 開発者視点で,先方が持つものを最大限活かすことで「尖り」を作っていく?

濱田氏:
 もちろん我々は,個人開発者の皆さんからしたら,すごく十分なリソースを持っているとは思います。
 けれども,我々は我々なりに,けっこう苦労していると思うんです。大規模プロジェクトと比較すると少ない予算で,しっかりとものを作っているつもりですし,そのために,一つひとつの要素をちゃんと研ぎ澄ましていくということもやっているつもりです。

4Gamer:
 あぁ……大企業の考える「尖り」は,イメージとはちょっと違うのでは,ということですね。

濱田氏:
 はい。もし本当に,インディーでしか存在しえないような,すごく変わった作品だったり,めちゃくちゃ尖りすぎてて「誰がこれを遊ぶんだろう?」って思っちゃうようなものだったり……。

4Gamer:
 ありますね,そういうの。それがインディーの魅力でもありますが。

濱田氏:
 もちろんです。しかし我々としては,そもそもそういうものを目指しているものではないのです。我々の目指している尖りというのは,おそらくメディアの皆さんやプレイヤーの皆さんが考える「尖り」とは違うものなのかなと。

4Gamer:
 おっしゃることはなんとなく分かるんですが,文字にしづらそうです。大きな会社の考える“尖り”を求めているのであって,先鋭的すぎたり突拍子もないものだったり,そういうものを求めているわけではないということですね。

濱田氏:
 はい。すみません,言語化が難しいですね。僕がペラペラと反射的に喋ってしまってすみません。

4Gamer:
 いえいえ。
 ……しかしそうやって,たとえば他社のものを,お預かりして作って,それがヒットしたとしましょう。ヒットしたら,それは「CygamesEdge」に所属したものとして育てられるんですか?

濱田氏:
 うーん,そこはまだ明確に社内で決まっているわけではありません。
 ただ思うんですが,Cygamesという会社は,2011年設立の若い会社です。これまで積み上げてきた作品の本数も,とくにコンソール業界での大手他社様と比べると,だいぶ数が少ないと思います。

4Gamer:
 それはそうですね。作品の本数で肩を並べていたらむしろびっくりです。

数字で知るCygames【2025年版】(Cygames Magazine)
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濱田氏:
 ですので我々も,「CygamesEdge」のタイトルをコンスタントに積み上げていくことによって,いままでなかった,Cygamesとしてのアーカイブスというところを強めていきたいです。
 そしてその中で大ヒットするものがあったとして,もしかしたら「CygamesEdge」から生まれたIPが,Cygamesを代表するようなIPになってくれてもいいんじゃないかな,というのは思っています。

4Gamer:
 例えば「崩落の国」がめちゃ売れたとして,スピンアウトとかシリーズ化とか,そういうのもやるのかなと思っての質問だったんですが,基本的には未定ということですね。

濱田氏:
 ええ。可能性としては全然あってもよいと思います。

4Gamer:
 ではここまでずっと,「CygamesEdge」が成功する前提でいろいろ聞いてきましたが,逆に,「CygamesEdge」が失敗するとして,こういうプロジェクトは「どうなったら失敗」なんでしょうか。

濱田氏:
 どうなんでしょうね。お客様のニーズに応えられなかったというか,期待度を超えるものを作れなかった,という場合が続くと,事業として成立しなくなりますし,それが続くとたぶんそれが失敗なんじゃないかなと。
 でもたぶんそういうことを聞きたいわけではなさそうですね。

4Gamer:
 そうですね。こういうプロジェクトって先行投資的な意味合いも強そうですし,ある意味Cygamesくらいの規模なら「ずっと続けられる」んじゃないか,という気がしていて。
 だとしたら,事業としての失敗の判断をどこでするんだろうと。

濱田氏:
 なるほど理解しました。
 そこは現時点で,僕から……あまり上に問うてないんですけれども,ちゃんと結果を積み上げていかない限りはダメでしょうね。我々もさすがに慈善事業でやっているわけではないですし。

4Gamer:
 もちろんです。

濱田氏:
 ビジネスとしての結果は問われるだろうな,と思っています。

「3時間と言っているんだから,3時間じゃねえかと言われるのは違う」

4Gamer:
 しかしさっきお聞きした成り立ちもそうですし,「崩落の国」のリリースにもある「初見プレイ3時間」みたいなのもそうですけど,Cygamesって,いままで「ウマ娘」とか「グランブルーファンタジー」のような“終わらないゲーム”を作っていた会社なわけじゃないですか。
 そんな会社が,いくらサブブランドとはいえ「3時間で終わる」と明言するのは,実はなかなか攻めてるんじゃないかなと思ってまして。

濱田氏:
 あぁ……そうですね,そこはそうかもしれないです。

4Gamer:
 そういうのもすんなり通ったんですか?

濱田氏:
 やはりそこには,昨今のプレイヤーニーズの変化というのがあると思っています。
 僕自身も普段,仕事も含めてゲームに触る機会が多いですけれども,ゲームに求めるコスパとかタイパとかって,ほかのエンタメに比べてめちゃくちゃ高いじゃないですか。たとえば,もうフルプライスのタイトルだったら,50時間くらいは遊べて当たり前,みたいな……。

画像ギャラリー No.020のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

4Gamer:
 昔からそういうところありますよね。まぁそれを煽ってきた我々メディアの責でもあるので,メーカーやユーザーだけの問題ではないと思いますが。

濱田氏:
 それなのに値段はずっと据え置き,みたいなところがあったりします。
 ただ一方で,そういったゲームが非常にたくさんある中,僕自身も普段からエンタメが好きですから,いろいろなものを観たいし体験したいわけです。YouTubeはもちろん,オンデマンド配信を観たいし,本も読みたいし,漫画も読みたい。いまは昔に比べて,とてつもない数のエンタメが手軽にあふれている時代です。
 でも可処分時間は,大人になればなるほど,さまざまな理由でどんどん減っていきますよね。僕自身も,ゲームを生業にしているにもかかわらず,何十時間もかけてゲームを最後までクリアしてエンディングを見届けたのは,ここ数年で何本あるのかと問われると……正直,数本くらいしか……。

4Gamer:
 数本やっているだけでも,結構すごいと思いますけどね。

濱田氏:
 やっぱり目立ったものは一通り触らないとならないという使命感もありますし,とりあえず買って遊んでみるんですが,どうしても職業プレイをしちゃうんですよね。

4Gamer:
 あー,分かります!

濱田氏:
 「なるほどこんな感じなのか。ここはすごく出来がいいな……ここはUIがイマイチかもしれないな」とか。批評家視点みたいな感じでプレイしちゃって。

4Gamer:
 やりがちです……。自分が苦手なものこそやるかなと思ったらそうでもなくて,好きなものほど変な見方をしちゃうのがよくない気がします。

濱田氏:
 でも数十時間じゃなかったとしても,インタラクティブなものであるゲームを,クリアした達成感だったり充足感だったり,なんていうか「クリアしたー!」という特有のものがあるとも思っています。そして,それを3時間で体験できたら,逆にそれはすごいバリューなのでは? と。

画像ギャラリー No.029のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

4Gamer:
 なるほどそういう考えだったんですね。

濱田氏:
 本当に「3時間」と銘打ったゲーム自体,前例があまりないと思うんですけれども,実際にはそういうものを求めるニーズは結構あるんじゃないかと考えています。
 本当に3時間で,まああまりアクションゲームが上手ではない人でも5時間くらいあればエンディングまで行けますので,週末の半日くらいを費やせば……。

4Gamer:
 いい感じのカタルシスが得られそうですね。

濱田氏:
 そう。エンディングを見て「これはよかった」という感じになる。それが,このクオリティと1100円というプライスの……。

4Gamer:
 あれ? 価格公開されてましたっけ?

濱田氏:
 まだです。10月16日の解禁なので,このインタビューも10月16日に載せてください(笑)。

4Gamer:
 なるほど理解しました。あぁでも1100円かぁ。
 いいですね。安すぎず,高すぎず。

濱田氏:
 そう言っていただけると。
 1100円という価格に対して,このボリューム感とこの内容があれば,いままでとは違う形で,ゲームから達成感を得られることは全然出来るだろうなという気持ちです。

画像ギャラリー No.032のサムネイル画像 / 「3時間で終わります」と自分から言う,Cygamesの新ブランド。「CygamesEdge」の“尖り”とは何か,ブランドプロデューサーに聞いた[インタビュー]

4Gamer:
 おっしゃることはすごく分かりますし賛同しますが,知り合いのインディー開発者と話していると,少なからぬ数の開発者が口を揃えて言うのは「500円とか1000円にそんなにたくさんのものを求めないでほしい」というやつです。
 例えば個人が作って,500円とか1000円で売っているゲームに対して「なぜこの機能がないのか。いまどき普通入っている」「次のアップデートの時期くらい告知すべきでは」「今後の開発マイルストーンを提示しろ」……。

濱田氏:
 なるほど……。

4Gamer:
 もちろん「CygamesEdge」は企業ですから,個人開発者とはそのリソースも全然違いますが,逆に言うとかかるコストも段違いに高いわけです。
 こういう声が寄せられたとき,1100円というプライスのゲームは,そのあたり対応するんでしょうか。

濱田氏:
 リリースしたあと,何か反響があったりニーズがあったりしたものに関しては,アップデートで対応するようなことは考えていきたいです。
 でもこの作品としては,まず「3時間でこのゲームの世界をすべて体験して完結する」というものに対してのこの価格ですから,それを「6時間遊べるようにしてくれ」とか「世界の広さを倍にしてくれ」というのは,そもそも本末転倒な感じがします。

4Gamer:
 はい,そのとおりだと思います。

濱田氏:
 メインのストーリーモードが,まず3時間で終わるようにできています。エクストラマップとして,高難度のものや,何度もプレイできるものは用意してありますが,「3時間」と宣言しているのは,買ってくださったユーザー様の期待度と現実が,なんと言うのがいいですかね……。

4Gamer:
 乖離しない?

濱田氏:
 そうですね。それが一番適切かもしれません。乖離しないように,というところも意図として入っています。
 ですので,「3時間遊べます」というものを買って,「たった3時間じゃないか!」というのは,さすがにちょっと違うと思いますね。

4Gamer:
 なんの異論もありません。

濱田氏:
 もしかしたらジャンルにもよるのかな,とはいま話しながら思いました。
 もしかしたら「CygamesEdge」でも,今後出るタイトルで何度でも遊べるようなサイクルにすれば,それこそ100時間とかだって遊べるようなものになるかもしれないですし。

4Gamer:
 でもSteamレビューとか読んでて思うんですが,100時間遊んでいるのに「コンテンツ不足」とか評されることもあったりして,もはや何をどうやっても何か言われそうな気がしないでもないです。

濱田氏:
 それはなかなか……。
 でもまあ,先ほどのお話のインディーの開発者さんがおっしゃっていることも,すごくよく分かります。ゲームの作り手側として「そんなにコスパを求めないでほしい」という気持ちがあるものの,いちユーザーとしては,やっぱり普通に思っちゃうところもあったりしますし。

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4Gamer:
 以前からそういう傾向はややありましたが,最近とくに強くなっている気がしますね。

濱田氏:
 まぁ周囲はどうであれ,我々は「3時間」とわざわざ明言することに勝機を見出している,という部分は否定できないですね。

4Gamer:
 でも確かにそれは,Cygamesの新ブランドだからできることかもしれないですね。
 お時間いただけてブランドのことはだいぶ分かりました。横で「時間ですよ」という顔をしているので最後の質問ですが……どうしようかな。

濱田氏:
 と言いますと。

4Gamer:
 いつもはこういうのは「楽しみに待っている読者にひと言」とか聞くことが多いんですが,せっかくの大阪インディーゲームサミット会場ですし,このあともしかしたら一緒に仕事をするかもしれないインディーの開発者に向けて,何かコメントをお願いします。

濱田氏:
 それは……想定していなかったですね。

4Gamer:
 「想定していなかった」と言われると嬉しいです(笑)。

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濱田氏:
 先ほどお伝えしたとおり,我々「CygamesEdge」は,完成した作品をもらってただパブリッシングだけを行うということは,基本的にやりたくないと思っています。
 「CygamesEdge」側,Cygames側で企画した作品を一緒に作るか,または開発会社様からの持ち込みを一緒に作っていくという形が,一番多くなると思っています。
 「CygamesEdge」は,Cygamesと同じく「最高のコンテンツを作っていく」という思いは一緒です。その中でも,時間と予算が限られている中での“最大限の良さ”を,本当に尖らせて突き詰めていくことに対して,ただの発注受託の関係ではない,本当のパートナーとなってほしいです。
 お互いに「いいものを作りたい」という思いを共有していただける企業様と,もしくは個人の方と,ぜひ一緒にやりたいと思っていますので。何かあれば,もうどんどん教えてください。

4Gamer:
 お? 個人でも受け付けるんですね。

濱田氏:
 はい。実際にやるとなったら,それなりにハードルは高いと思いますけど,最初から門戸を閉じるつもりはありません。

4Gamer:
 素敵です。本日はありがとうございました!

――2026年10月3日

来源:4Gamer.net · 4gamer.net