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NVIDIA RTX Spark N1X规格公开,微软合作推进Arm版Windows游戏适配

Windows PC向けNVIDIA製SoC「RTX Spark」の正体が明らかに。Microsoftと共同でゲームへの対応も進める

AI 导读

NVIDIA在2026年10月8日技术说明会公开RTX Spark N1X芯片规格,并与微软合作推进Arm版Windows的游戏适配与DLSS 5支持。该SoC采用TSMC 3nm工艺,最高128GB内存,微软正解决反作弊与Prism模拟运行x86游戏问题。DLSS 5处理性能提升2倍,首用于NBA 2K27的10月16日更新。

推荐理由

本文基于技术说明会披露RTX Spark N1X规格与微软Arm版Windows游戏适配进展,可供读者了解PC硬件新架构的游戏支持现状。

正文

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 去る北米時間2026年10月7日,NVIDIA製のSoC(System on a Chip)「NVIDIA RTX Spark」搭載PCが,MicrosoftやASUSTeK Computer,MSIなどから発表となった。

 その翌日である10月8日,NVIDIAは,米国でRTX Sparkに関連する多角的な技術説明会を行った。現地で説明会に参加する機会を得たので,4Gamer向けのレポートをお届けしよう。

RTX Sparkのパッケージを掲げるJustin Walker氏(Senior Director,Products,NVIDIA)
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●目次

RTX Spark N1XのGPUとCPU

 RTX Sparkについては,2026年6月に掲載した以下の記事で詳しく解説している。そのため,本稿では重要なポイントを振り返りつつ,今回の技術説明会で明らかになった新情報を中心に紹介しよう。

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 2026年6月の発表時点で,RTX Sparkの名称は「N1X」と噂されていた。今回の技術説明会では,NVIDIAも「RTX Spark N1X」(以下,N1X)と呼んでおり,噂どおりであったようだ。
 すでに販売中のAI開発者向け小型PC「DGX Spark」が搭載するSoC「GB10」は,N1Xと同じ半導体ダイであることが知られている。つまりNVIDIAは,同じSoCでも搭載するPCによって名称を使い分けているわけだ。
 ちなみに,N1Xの下位モデルと噂されていた「N1」については,NVIDIAがその存在を否定した。

RTX SparkのSoCはN1Xと呼ばれる。上位モデルも下位モデルも名称は共通だ
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 メインメモリにはLPDDR5X-9400を採用しており,容量は24GB,32GB,48GB,64GB,128GBの5種類がある。このうち,64GB未満の構成はノートPC版RTX Sparkのみで,デスクトップ版は64GBと128GBの2種類となる。
 32GB以下のモデルでもAIエージェントPCとして利用できるが,主要なAI処理はクラウド側で実行することになる。ローカルPCでAIを動作させるには,48GB以上のモデルをNVIDIAは推奨している。

搭載メモリ容量によって,ローカルで実行できるAIモデルの規模が変わる。32GB以下のモデルでは,主にクラウド上のAIを使う
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 NVIDIAによると,48GBモデルでは,約24GBのメモリを使用する「Nemotron Bolt 74B」を動作させられるという。
 RTX Sparkは,CPUとGPUがメインメモリを共有する「Unified Memory Architecture」(UMA)方式を採用している。そのため,ローカルAIに割り当てられるメモリ容量は,Windowsの動作やグラフィックス処理に必要な分を差し引いた残りだけだ。
 Windowsを快適に使いながら,大規模言語モデル(LLM)をローカルで安定して動作させるには,やはり48GBモデルが事実上の最低ラインとなるわけだ。

電力効率(横軸)と最大メモリ容量(縦軸)で,NVIDIA製GPUを比較したスライド。RTX Spark N1Xの位置づけが分かる。NBはノートPC,DTはデスクトップPCを表す。ただし,価格は考慮していない
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 N1X/GB10は,GPUタイルとCPUタイルを組み合わせた2タイル構成のSoCで,TSMCの3nm(N3E)プロセスで製造される。
 海外メディアのGB10解析記事によると,2つのダイの接合にAmkor Technologyの半導体パッケージング技術「S-SWIFT」が使われていたという。N1Xも同様だろう。

 筆者は以前,RTX Sparkを取り上げた記事で,TSMCの「CoWoS-R」技術が採用されていると推測していた。再配線層(RDL)を利用するという基本構造の推測は正しかったが,実際に採用されていたのはS-SWIFTだった。

 N1Xの総トランジスタ数は約700億個で,ダイサイズは370mm2以上と推測される。また,想定される熱設計消費電力(TDP)は45〜80Wとのことだ。

 GPUタイルとCPUタイルのダイ間接続には,NVIDIAのインターコネクト技術「NVLink-C2C」を採用しており,帯域幅は双方向で600GB/s,片方向で300GB/sとなる。
 これは,256bitメモリバスで接続したLPDDR5X-9400のメモリ帯域幅である約300GB/sに相当し,十分な帯域幅を確保しているという。
 なお,DGX SparkのGB10はLPDDR5X-8533を採用しており,メモリ帯域幅は273GB/sだった。つまりN1Xでは,メモリ性能がわずかに向上したことになる。

 次のスライドは,GPUタイルの構成を示したものだ。「GeForce RTX 5070」相当の6144基のCUDA Coreを搭載し,AI処理ユニット「Tensor Core」の演算性能は,「NVFP4」形式で1 PFLOPS(ペタフロップス)に達する。これらは既知の情報で,目新しい点はない。
 なお,N1Xの下位モデルには,CUDA Core数を5120基に減らした構成もある。

N1XのGPUタイルブロック図
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 GPUタイルのL2キャッシュ容量は24MBだ。L2キャッシュには,CPUとGPUが共有するUMAメモリへのアクセスを減らす役割がある。
 ちなみに,N1Xと同クラスの単体GPUであるGeForce RTX 5070は,L2キャッシュ容量が48MBだ。N1Xが半分の理由は不明だが,消費電力やダイサイズを抑えるためと思われる。

 続いて,次のスライドはCPUタイルの構成を示したものだ。CPUタイルは,周辺I/Oやメモリインタフェースも備えており,GPUがメモリにアクセスする際も,CPUタイル側のメモリコントローラを経由する。

N1XのCPUタイルブロック図
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 とくに注目したいのは,AI推論用アクセラレータである「NV NPU」の存在だ。NV NPUは,Arm系CPUの拡張命令ではなく,CPUから独立したアクセラレータとして利用するものである。

 NVIDIAはCPUタイルを,Android向けSoCの開発でおなじみの半導体メーカーであるMediaTekと共同開発したことも明らかにした。
 両社は,NVIDIA独自の残像感低減技術「G-SYNC Pulsar」に対応するディスプレイ用SoCでも協力関係にある。

 説明会での質疑応答では,「NV NPUはMediaTek由来の技術なのか」という質問が出た。しかしNVIDIAの回答は,CPUやI/O,メモリを含むタイル全体をMediaTekと共同設計した,というものだった。
 そこで,筆者がNVIDIAに確認したところ,「NV NPUはNVIDIA独自の設計であり,WindowsのCopilot+ PCに対応するためのものだ」という回答を得た。

 ちなみに,NVIDIAは過去にも,Arm系CPUと組み合わせる独立したAI推論用アクセラレータとして,エッジAI向けSoC「Jetson Xavier」に,「NVIDIA Deep Learning Accelerator」(NVDLA)を搭載していた。今回のNV NPUは,その技術を受け継いだものかもしれない。

 CPUタイルのスライドに戻ると,CPUクラスタが2つあることが分かる。
 各クラスタには大きなマスと小さなマスが5つずつあり,大きなマスは高性能コアの「Cortex-X925」,小さなマスは高効率コアの「Cortex-A725」だ。
 なお,Arm系CPUでは,さらに消費電力の低い「Cortex-A520」というCPUコアもあるが,性能重視のN1Xでは採用していない。

 N1Xは2クラスタ構成なので,最大で高性能コア×10,高効率コア×10の計20コアを搭載する。一方,下位モデルは高性能コア×9,高効率コア×9の計18コア構成となる。
 ただし,どちらのクラスタのどのコアを無効化しているのかは明らかにされていない。

 CPU側のL3キャッシュ容量は,1クラスタあたり16MBで合計32MBとなる。ノートPC向けCPUとしては大容量だ。
 CPU側L3キャッシュとGPU側L2キャッシュ(24MB)では,保持するデータのメモリアドレスが重複する可能性がある。そのため,それぞれのキャッシュ間でデータの一貫性(コヒーレンシ)を正確に維持するようになっていると,NVIDIAは説明していた。

 このように,N1Xはメインメモリの帯域幅が広く,各タイルのラストレベルキャッシュ(LLC)も大容量だ。そのため,AMDやIntelのx86系CPUと統合型GPUを組み合わせたSoC(APU)と比べて,メモリアクセスにともなう待ち時間を効果的に隠蔽できると期待される。総合的な性能もかなり高くなりそうだ。

 ただし,純粋なグラフィックス性能では,同等の演算能力を持つ単体GPUのGeForce RTX 5070を上回ることはないだろう。
 メモリアクセスの待ち時間を効果的に隠蔽できても,メモリアクセス自体をなくせるわけではない。GDDR7メモリを搭載し,672GB/sのメモリ帯域幅を持つGeForce RTX 5070の優位性は揺るがない。

DellのノートPC「XPS 16」について,Intel Core Ultra 9搭載モデルとNVIDIA RTX Spark搭載モデルを比較したスライド。価格を考慮しなければ,RTX Spark搭載モデルには優れた点が多い
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Arm版Windowsのゲーム対応を強化する取り組み

Peter Dawoud氏(Principal Program Manager,Microsoft)
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 今回の技術説明会には,MicrosoftのPeter Dawoud氏も登壇し,Arm版Windowsを搭載するRTX Spark環境でPCゲームを動作させるための取り組みについて,3枚のスライドを使って説明した。

 内容は,x86向けWindowsアプリやPCゲームを,ArmベースのRTX Sparkで動作させるための取り組みだ。具体的には,MicrosoftがArm版Windowsに追加した機能や,RTX Spark向けに実施した対応策が紹介された。

 順番に見ていこう。まずは1枚めのスライドだ。

アンチチートシステムへの対応,Armネイティブゲーム,コンパイル済みシェーダの配信,「Prism」によるエミュレーションという4つの取り組み
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 従来のArm版Windowsでは,アンチチートシステムが動作しないことが,オンライン対戦ゲームをプレイできない主な原因となっていた。
 多くのアンチチートシステムは,ゲームアプリから直接操作できないカーネルモードのドライバとして動作する。一方,x86向けアプリをArm環境で動作させるためのJITコンパイラ技術「Prism」は,カーネルモードドライバに対応していない。
 そのため,この問題を解決するには,Armネイティブで動作するアンチチート用のカーネルモードドライバが必要となるわけだ。

 アンチチートシステムにはさまざまな種類があり,ゲームによって採用するものが異なる。表にまとめてみよう。

表 主要なアンチチートシステムと開発元,採用している主なゲーム
名称 開発元 採用ゲームの例 特徴,動作タイミング
Easy Anti-Cheat(EAC) Epic Games Fortnite,Rust,Dead by Daylightなど ゲーム起動時に読み込まれる。多くのゲームで採用
BattlEye BattlEye Innovations PUBG,Rainbow Six Siege,Escape from Tarkov,DayZなど カーネルモードドライバ(BEDaisy.sys)をゲーム起動時に実行
Vanguard Riot Games VALORANT,League of Legends 原則としてWindows起動時からカーネルモードドライバ(vgk.sys)が常駐。一部では必要に応じて起動する方式も採用
EA AntiCheat,Javelin Electronic Arts Battlefieldシリーズ,EA Sports FCシリーズなど EA製ゲーム向けのカーネルモードアンチチート
RICOCHET Anti-Cheat Activision Blizzard Call of Duty: Warzone,Call of Duty: Modern Warfareシリーズ カーネルモードドライバとサーバー側の不正検出を併用
nProtect GameGuard INCA Internet 韓国製MMORPGなど アジア圏のオンラインゲームで広く採用されてきたカーネルモードアンチチート
XIGNCODE3 Wellbia 韓国やアジア圏のオンラインゲームなど カーネルモードで不正行為を検出
FACEIT Anti-Cheat FACEIT(ESL FACEIT Group) FACEITで提供されるCounter-Strike 2など eスポーツ競技プラットフォーム向けのカーネルモードアンチチート
Anti-Cheat Expert(ACE) Tencent Cloud 中国製オンラインゲームなど カーネルモードで動作するアンチチートシステム

 Microsoftは,主要なアンチチートシステムであるEasy Anti-Cheat,BattlEye,XIGNCODE3,そして表にはない「Denuvo」のArm対応を進めているという。
 Epic Games,Microsoft,NVIDIA,Qualcommの各社がアンチチートシステムの開発元と連携し,役割を分担しながらArm版Windowsへの対応を進めているようだ。

将来は,Arm版Windowsでもeスポーツ系タイトルをプレイできるように
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 今回の説明では,NVIDIAがEA Javelin Anticheatへの対応を表明した。さらに,「PUBG」や「Call of Duty」シリーズ,「League of Legends」「VALORANT」のロゴを掲載したスライドも披露している。
 RICOCHETやVanguardへの対応もほぼ確実と見てよさそうだ。

 Armネイティブゲームへの対応については,ゲーム開発元に積極的に働きかけ,Armネイティブ版のリリースを促していくという。
 2026年6月時点では,対応タイトルとして「Alan Wake 2」の名前が挙がっていたが,今回の技術説明会では「Kingdom Come: Deliverance II」のArmネイティブ版が開発中であることも明らかになった。
 筆者の印象では,Microsoft傘下のゲームスタジオが開発したタイトルや,NVIDIAが開発に協力したタイトルは,Armネイティブ対応が進む可能性が高そうだ。

 コンパイル済みシェーダの配信は,Arm版Windowsに限った取り組みではない。GPUごとに必要となるシェーダのコンパイルを事前に済ませて配信することで,ゲームの初回起動時などに発生する長い待ち時間を解消しようというものだ。
 詳細は以下の記事を参照してほしい。

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 Prismによるエミュレーションについては,以下の5項目に分けて説明された。

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  • AVX/AVX2への対応
  • RTX Sparkのマイクロアーキテクチャに合わせた調整
  • 性能の最適化
  • 快適なゲーム体験
  • 互換性の改善

 AVX/AVX2への対応は,x86系CPUのSIMD拡張命令を,Arm系CPUのSIMD命令に変換することを意味する。
 具体的には,実行時(JIT)コンパイルによって,Arm系CPUの「Advanced SIMD」(NEON)命令や「Scalable Vector Extension」(SVE/SVE2)命令に置き換えることになるだろう。

 RTX Sparkのマイクロアーキテクチャに合わせた調整とは,x86系CPU向けに最適化された命令の実行順序を,Arm系CPUに適したものに変更することなどを指すと考えられる。
 具体的には,レジスタの利用効率を高めたり,メモリアクセスにともなう待ち時間を隠蔽したりといった最適化が想定できよう。

 性能の最適化と快適なゲーム体験については,具体的な改善例は示されなかった。
 Dawoud氏は,「レイトレーシングなど負荷の高い描画処理を行う場合でも,CPUがフレームレート(フレームペーシング)の安定に重要な役割を果たすので,これに配慮する」とだけ説明していた。

 互換性の改善は,Prismによるエミュレーションで発生する不具合の修正を指す。Dawoud氏によると,互換性を改善する更新プログラムを,ほぼ毎月提供していくという。

Windows側では,電力と性能の調整,UMAへの最適化,信頼性の向上という3つの取り組みを行った
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 続く「Windows❤RTX Spark」というスライドでは,RTX Sparkの性能と大容量メモリを生かすために,Windows側で実施した最適化について説明している。

 まず,電力と性能の調整とは,動画編集やゲームプレイ時にRTX Sparkの性能を最大限に引き出しながら,バッテリー駆動時間も延ばすための最適化を指す。
 この点は,Walker氏が担当したセッションでも強調されていた。
 次のグラフは,ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時の性能を比較したものだ。バッテリー駆動時でも性能の低下を抑えていることが分かる。

ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時の性能を比較したグラフ。濃い緑の「AC」はACアダプタ接続時,明るい緑の「DC」はバッテリー駆動時の性能を表す
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 UMAの最適化とは,最大128GBのUMAを効率よく利用し,ローカルLLMなどの大規模AIモデルをできるだけ多くメモリ上に保持するための取り組みだ。
 具体的には,メモリ上に常駐できるデータ量の上限(Residency Limits)を動的に調整し,CPU,GPU,NPU間のメモリ管理を最適化したという。
 同時に,Windowsやほかのアプリの応答性を維持するため,メモリの割り当ても自動的に調整する仕組みとなっている。

 質疑応答では,「UMAメモリのうち,GPU向けのメモリ割り当て量をユーザーが手動で予約できるのか」という質問があった。NVIDIAの回答は「可能」というもので,具体的な設定は「NVIDIA App」から行うことになるのではなかろうか。
 GPU向けに予約したメモリ容量を超えて利用できることも明言された。つまりRTX Spark搭載PCでは,AI処理やゲームの実行時に,GPUが予約済みの容量だけでなく,CPU側の空きメモリも利用できるわけだ。

 最後の信頼性の向上は,RTX Spark搭載PCの発売後も,Windows Updateを通じて継続的に更新プログラムを提供し,信頼性の向上を図るという当たり前のアピールだ。

さまざまなアプリにおける各SoCの相対性能を比較したグラフ。濃い灰色の「Core Ultra 9 386H」(GPU 4コア)を基準として,薄い灰色が「Core Ultra X9 388H」(GPU 12コア),白がAMDの「Ryzen AI Max 395+」(Strix Halo),緑がRTX Spark N1Xを表す
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RTX SparkでDLSS 5の性能が向上

Henry Lin氏(Director of Product Management,Gaming&AI)
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 NVIDIAのHenry Lin氏によるセッションでは,RTX SparkがArm版Windows向けのゲーミングプラットフォームとして,高い性能を発揮できることがアピールされた。
 ただ,アンチチートシステムへの対応や,Armネイティブゲームの拡充など,Walker氏やDawoud氏のセッションと重複する内容も多かったので,ここでは新たな話題に絞って紹介しよう。

 Lin氏が繰り返し強調したのは,RTX SparkがArm系CPUを搭載するSoCであっても,RTXブランドを冠する以上,単体GPUのGeForce RTXと同等のゲーム体験を提供できるという点だ。

 たとえばRTX Sparkは,「DLSS 4.5」の第2世代Transformerモデルによる超解像処理や,最大6倍のマルチフレーム生成,第2世代のRay Reconstruction(レイの再構成,レイトレーシング用デノイザ)に対応する。
 さらに,新しいニューラルレンダリング技術である「DLSS 5」もサポートするという。

GeForce RTXシリーズ向けに提供されている各種技術は,RTX Sparkでもすべて利用できるという
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 DLSS 5を初めて採用したのは,9月に発売されたバスケットボールゲームの「NBA 2K27」だ(関連記事)。そのDLSS 5が,2026年10月16日にアップデートされる。NVIDIAによると,処理性能は9月時点の2倍に向上するという。

 質疑応答で筆者は,DLSS 5の性能が向上した理由について,「FP4形式への対応によるものなのか」と質問した。
 NVIDIAによると,FP4にはまだ対応しておらず,DLSS 5の行列演算で使用する最小のビット幅は8bitのままだという。つまり,今回の性能向上は,演算精度の最適化によるものではない。

 NVIDIAが性能向上の理由として最初に挙げたのは,パイプラインの最適化だ。具体的な説明はなかったが,推論AIを動かすためのデータフローを最適化したということだと思う。

 2つめの理由は,ニューラルネットワークモデルの最適化だ。具体的には,モデルのパラメータ数を従来の約1億5400万(154M)から約1億1800万(118M)へと,約24%削減したという。
 これにより,グラフィックスメモリの使用量も減ったとのこと。ただ,画質への影響については言及されなかった。

 ちなみに,9月時点でのDLSS 5のメモリ使用量は,ピーク時で約731MBであるという。ただし,パラメータ数が24%減ったからといって,メモリ使用量も同じ割合で減るわけではない。演算途中のデータを保持する作業用バッファなどの容量まで減るとは限らないためだ。

 とはいえ,パラメータ数の削減による効果は計算可能だ。
 仮に9月版DLSS 5の約1億5400万パラメータを,8bit浮動小数点形式(FP8)で保持すると,必要なメモリ容量は約154MBとなる。
 それが10月版では,パラメータ数が約1億1800万に減ったため,同じ条件なら約118MBで済む計算だ。つまり,モデルのパラメータを保持するためのメモリ容量は,約36MB減ることになる。

 このように,DLSS 5自体の処理性能は2倍に向上した。しかし,NVIDIAが示した下のスライドでは,実際のフレームレートの向上率は約38%にとどまっている。

DLSS 5の処理性能は従来の2倍に向上。一方,DLSSのフレーム生成には,画質よりも性能を優先するモードが追加される
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 理由は単純で,高速化されたのはDLSS 5の処理部分だけだからだ。
 DLSS 5は,1回のAI推論で元画像に陰影表現を追加する技術だ。一方,超解像処理やフレーム生成,レイトレーシングのノイズを除去するレイの再構成といった処理は,引き続きDLSS 4世代の技術が担当する。そのため,DLSS 5の処理性能が2倍になっても,ゲーム全体のフレームレートが2倍になるわけではない。

 画質をある程度犠牲にしてフレーム生成の処理性能を高める新モードは,「Performance Mode for Frame Generation」という名称になるそうだ。NVIDIAは,従来のフレーム生成との性能比較も示している(下図)。

10月のアップデート適用前と適用後のフレームレートを,フレーム生成倍率ごとに比較したグラフ。2Xで約10%,3Xで約14%,4Xで約20%,6Xで約30%の性能向上が見られる
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 ゲーム内でプレイヤーと自然な会話ができるAI NPCを実現する「NVIDIA ACE for Games」のアップデートプランも発表された。
 NVIDIA ACEは,ローカル環境で動作する大規模言語モデル(LLM※)を活用する技術だ。

※実質的には小規模言語モデル(SLM)といったところ

 ACEは「Avatar Cloud Engine」の略称だ。もともとはクラウド上でAIを動作させる仕組みだったが,「NPCの制御にクラウドを利用するのは運用コストが高い」というゲーム開発者側の懸念もあり,近年のNVIDIAはローカル環境で動作するACEの提供に力を入れている。
 そのため現在のACEでは,名称に含まれるCloudという言葉が,必ずしも技術の実態を表しているわけではない。

 2025年にNVIDIAが公開したのは,プレイヤーとの会話をローカルLLMに任せ,NPCの実際の行動は,ゲーム側の既存のルールやスクリプトで制御する仕組みだった。AIにすべてを任せるのではなく,会話と行動の制御を分担させるという発想だ。
 この方式を採用した最初の事例が,人気FPS「PUBG」のAIチームメイトモードである「Ally Duo」だった。

 説明会では,同様の仕組みでNVIDIA ACEを活用する新作RPG「Aniimo」が紹介された。本作は,ポケモンのようなモンスター「アニモ」の収集と育成に,オープンワールドの探索や拠点での生活を組み合わせたゲームだ。
 プレイヤーはアニモに対して,「遠征に備えて食料を増やして」といった自然な言葉で,拠点の運営に関する指示を出せるという。PUBGのAlly Duoと同様に,実際の行動にはゲーム内に実装されたAIを利用する仕組みだ。

NVIDIA ACEを活用したゲームの例に挙げられたPUBG(左)とAniimo(右)
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 またNVIDIAは,ACEでゲームキャラクターの会話や行動判断を担う新たな小規模言語モデル「Nemotron 3.5 Bolt E4B」を10月23日にリリースすることも発表した。
 NVIDIAによると,従来モデルよりも性能が向上し,ゲーム内の機能を適切に呼び出す精度は1.5倍になったという。

NVIDIA ACEでの利用を想定した小規模言語モデルのNemotron 3.5 Bolt E4B。3.5はバージョン番号で,E4BはEffective 4 Billion(実効約40億パラメータ級)を意味する
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ゲーミングPCではないが,ゲームを手厚くサポートするRTX Spark

 いよいよ発売となるRTX Spark搭載PC。価格が非常に高く,一般消費者やゲーマーには手を出しにくい製品だが,ゲームを快適に動かすための機能や性能を備えていることは分かった。

 RTX Spark搭載PCは,AIエージェントの活用を主用途のひとつとしており,ゲーム目的で購入する人は少ないだろう。それでも,GeForce RTXシリーズと同様のゲーム向け機能を利用できるのは,RTX Sparkのユーザーにとって魅力だ。
 メインメモリ容量が24〜48GBのモデルがもう少し安くなれば,高性能な汎用ノートPCとして,一般ユーザーにも選ばれる可能性がある。筆者自身も,価格次第では購入を検討したいところだ。

 RTX Spark搭載PCが一般ユーザーにも手の届く製品となるよう,NVIDIAやPCメーカーには価格面での努力を期待したい。

来源:4Gamer.net · 4gamer.net