《Rain98》仅体验版便有300张以上美术图,异常执着打造的1998年涩谷与世纪末氛围【开发者访谈】
『Rain98』体験版だけでアート300枚以上。異常なまでのこだわりが生んだ、1998年の渋谷と世紀末の空気感【開発者インタビュー】
《Rain98》开发者访谈披露,游戏体验版仅涵盖全7章中前2章便有300张以上美术图,以统一摄影滤镜融合多风格素材。体验版于2026年10月17日配信,正式版预计2026年登陆PC(Steam),团队30人开发1年半且确定加入路线分支。
ゲームレーベル"C#4R4CT3R"が送るLo-Fi×サイコサスペンスADV『Rain98』。1998年の渋谷を舞台に、世界の崩壊を望む少女・雨原玲奈(CV:土屋李央)との奇妙な共同生活を送る――そんな本作の体験版が、2026年10月17日より配信されました。
筆者はその配信に先駆け、一足先に“UKIYO GAME BAR & CAFE”にて試遊を行わせていただきました。その内容は別記事にて触れていますが、とにかく世界観とヒロインである玲奈に惚れ込んでしまい……3時間以上もある大ボリュームだったにも関わらず、夢中になってプレイしてしまいました。

その後、本作の開発陣にインタビューを行うことができましたので、その場で体験版をプレイして感じたことを根掘り葉掘り聞いてみることに。「なぜ舞台が1998年なのか」「この時代をどう思っているのか」「なぜこんなにも雨原玲奈は魅力的なのか」――そんな疑問をぶつけたことで、また新たな『Rain98』の世界が見えてきました。


インタビュイー
ディレクター:Shoon T
開発リード:Takeshi Ihara(文中はTakeshi)
アートディレクター・キャラクターデザイン:dada
――まずお伺いしたいのが、やはり本作のアートワークについてです。ものすごく魅力を感じたのですが、制作時にはどういった方向性を目指していたのでしょうか。
dada:C#4R4CT3Rの第1作目になるので、オリジナリティは出したいと思っていました。舞台としては90年代なので、あの時代のアニメやカルチャーに合ったテイストをそのまま採用することもあったんですが、基本的にはその年代の雰囲気や印象に合わせつつ、自分たちらしい“匂い”を感じられるようなものにしたいなと。
――匂い。なるほど、わかる気がします。
dada:『Rain98』自体、一般的な「かわいい女の子と遊びます」というゲームとは外れてますからね。
あと背景は3Dをベースに素材を作りつつ、撮影効果を入れたりしています。一般的なノベルゲームのスチル(※イベントCG、一枚絵)というよりは、映画的な作りかたに近いでしょうか。
Shoon T「今の時代から見た90年代のアニメ」みたいなラインを狙おうと模索していて。光と影の感じとか、ノイズの感じとかを入れつつも、絵柄は新しい。そういう曖昧なよさが出したかったんです。そのほうがオリジナリティも出ますし、価値が出てくるなと。
それこそ90年代そのものや、昭和っぽさ、平成っぽさを出して作るというのは、何かを真似すれば作れてしまう。そうじゃなく近代の要素も上手くミックスしながらやるのがいいんじゃないかと思いました。

――インスパイアの元となった作品なんかはあるのでしょうか。
Shoon T:『パーフェクトブルー』はそうですし、『海が聞こえる』の心情描写とか、日常的な描写の繊細さとかは、チーム内でも好きな人が多いですね。あとは北野映画とかも。90年代は日本映画がけっこう強かったので、そういった作品のよさを抽出したいんです。みんなで一緒に見ては「ここの要素を入れたいよね」みたいなことを話し合っています。
――タイトルや全体の雰囲気から『serial experiments lain』のことも頭に浮かぶのですが。
Shoon T:『serial experiments lain』をモデルにしたわけでは無いんですが、偶然タイトルと年代が被りましたね。もともと好きな作品ではあったので、雰囲気づくりとかも確認しながら、再度見直したりしていました。
Takeshi:実際に動かす部分はほかのゲームを参考にするパターンも多いんですが、基本的には映像作品を参考にしているんです。そういう特徴は、アウトプットされた作風にも出ているんじゃないかと思っています。
Shoon T:『さよならを教えて』とか、当時のノベルゲームが好きなので影響を受けている部分は間違いなくあるでしょうね。でもチーム全体としてはそういう方向性ではなく、映像作品を参考に作っていくことが多かったです。
……あ、ゲームで言えば『ファミレスを享受せよ』の雰囲気はかなり参考にしました。ゲームサイズもあれぐらいで考えていたんですが、いつのまにやらすごい伸びちゃって。
――体験版だけで3時間ですもんね。ボリュームで言えば、プレイしていてすごく絵の枚数が多いなと思ったんです。実際何枚ぐらい描かれているのでしょうか。
dada:えっ、どうだろう。覚えてないですね。
Takeshi:えーっと……(手元のPCを見る)、そうですね、少なくとも体験版だけでも300枚以上はありますね。
――300!?
dada:もしかしたら2Dゲームでいちばん多くなるんじゃないでしょうか。よくノベルゲームの売り文句として「○○枚以上のスチルがあります!」というのがありますけど、多分想定をはるかに超える枚数になるんじゃないかなと思っています。
――そもそも使い回している素材がほとんどないですよね。
dada:そうですね。もちろん使い回している部分もあるんですが、シナリオを表現するための素材をちゃんと用意した結果、固有の絵がたくさん増えてしまったような感じです。
Shoon T:これを1個1個手で描いてるんだから、すごいことだよね。
――すごいというか、正直プレイしていて恐怖を感じるレベルでした。「いやうれしいし楽しいけど、工数どうなってるんだ……?」って。
dada:先ほどの話にも繋がってくるのですが、『Rain98』はノベルゲームの文脈というより“映像”なんです。劇場版のアニメとか、映画のコンテとか、そういう考えかたで作っていますね。
なので、1枚のカットを作るだけでも相当な枚数を描いてます。そういうのも入れると300でも足りないんじゃないかな……。

――ちなみに、体験版ってどのあたりまでの内容になるんでしょう。
Shoon T:全7章のうち2章ですね。
――じゃあまだ1/3にも満たないじゃないですか! それであの作業量なんですか!?
Shoon T:(笑)。2章の時点で想定よりも増えているので、今後まだまだ増えるかもしれません。
――恐ろしい話だ……。本当にこだわって作られているんですね。
dada:だからこそ、そういうこだわりも楽しんでいただけるとうれしいですね。
プロジェクト全体がかなりの熱量で動いているので、本当に些細なカットだろうと何回も作りなおしたりしているんです。
Shoon T:好奇心で動いている感じですよね。「このまま全部作ったら、どんなものが作れるんだろう」っていう。
――実際、去年の試遊からも大きく変わっていますよね。同じ場面でもスチルが変わっていたり。
Shoon T:うちのチームがえらいんですよ。自分たちの中で「こうじゃないと嫌だな」「もっとこうしたい」という案がたくさん出てきて、同じところの作り直しとか、描きなおしを積極的にやるんです。そういうこだわりがたくさん詰まっています。
――まさにインディーゲームらしい現場というか。
Shoon T:いまは30人ぐらいの規模で作っているので、インディーではないんです。でもそういった、“やりたいことはとことんやる”というスピリットは持った上で制作にあたっています。
――あとプレイしていて驚いたのが、すごく手触りがいいなと思ったんです。演出が気持ちよくて、導線が丁寧で。いい意味でアドベンチャーゲームらしくない遊び心地といいますか。
dada:Shoon TもTakeshiもそれぞれ担当セクションは違うんですが、全員演出の気持ちよさみたいなところの感度が高いんですよ。全員が違った角度から触り心地とか体験の気持ちよさを気にしていて。音の感覚とか、見せかたとか、すごく細かい部分まで議論に上がったりします。そういった全員の知見が集合した結果だと思いますね。
Shoon T:“気持ちよさ”というのはコンセプトとしてもかなり重要な位置に置いています。曖昧なものではあるのですが、僕ら(dada氏、Takeshi氏)はもともと友だちなので、忌憚なく意見を言い合えるんですよ。だから曖昧なものでも、具体的な形になるまで向き合えるというか。そういった部分が体験の新しさを生んでいるんじゃないかと思います。
Takeshi:誘導ひとつ作るにしても、ほかのゲームを参考にしてそのまま持ってくるとどうしても全体の雰囲気に合わないことがあるんです。それがゲーム全体の没入感を下げてしまうので、そこは妥協なく話し合ってますね。
dada:「またリリースまでに変わるんだろうな」とは思っていますけどね(笑)。

――(笑)。実際雰囲気はすごく統一されてますよね。ドット絵とかPC98風の画面だとか、変わり種を入れつつも『Rain98』らしさは残っていると言いますか。
dada:まず玲奈が主人公といる次元は、シネマティックな印象にしようと決めていました。その上でミニゲームとかは、また違った雰囲気のものを入れてもおもしろいんじゃないかなと。ローポリとか、ドット絵とか、そういう当時の雰囲気をリスペクトしたものがあればプレイヤーも喜んでくれるだろうなと思いまして。
その上で、先ほども言った“撮影”のプロセスを統一しているんです。絵にかかる光の拡散具合や質感に統一感を持たせて、完全に別の素材でもある程度同じ世界観を共有していることがわかるようにしています。
Takeshi:技術的なことを言うと、スチルの一枚絵に撮影効果をかける方と、ミニゲームに撮影効果をかける人が同じなんです。なのでブレがなく、一貫したフィルターを通してゲームを見ていただけているんじゃないでしょうか。
dada:でも実際、大変だったよね。マップとか1年ぐらいかかったんだっけ。
Takeshi:ファミコンみたいな画面のときもあったはず。
dada:最初は本当に、大変でした(笑)。
――大変さはすごく伝わってきます(笑)。ミニゲームもそれぞれ独立して作られていますもんね。とんでもない工数がかかってそうに見えますが。
dada:そうなんですよ。でもみんな麻痺してきちゃって……「もうこのプロジェクトはそういうものなんだ」って。
でもおもしろいですよ。ミニゲームはそれぞれ違った雰囲気でやれるので、メンバーそれぞれが自分の個性を活かした作りかたができますから。ひとつの作品を作っているような感じで、楽しんでやっています。

――しかしこれだけ凝った作りをしていると製作期間が長そうに見えるんですが、開発に着手したのはいつ頃なのでしょうか。
Shoon T:始まりは1年半前ですね。
――1年半であの量を!?
Shoon T:しかも何回か作り直してます。
Takeshi:「ゲームの規模が変わった」というお話をしたと思うのですが、それもあって全部作り直したことがありました。
――もっと途方もない時間がかかっているのかと。すごい……。あとは以前「ルート分岐はしない」というお話があったと思うのですが、ここが変更された経緯についてもお聞きしたいです。
Shoon T:そう答えていた頃って、実はまだ脚本が完成していなくて。いまは完成しているので、ルート分岐すること自体は確定事項として考えていただければ。
ゲーム内の選択肢とか、玲奈との街歩きとか、途中の行動によっていろいろと変わるようなものを考えています。まだ詳細までは確定していませんが、複雑なモノにはならないんじゃないかな。
――そもそも主人公と玲奈のふたりは、世界を滅ぼすために感情を積み重ねて行くわけですよね。そんなことをしていると世界に愛着が沸いて、「滅ぼさない」というルートに行ってしまいそうな気がするんですが。
Shoon T:どうでしょうね。そこはまだ、詳しいことは言えないです(笑)。「滅ぼすための日常ってなんなんだろう」というところに引っかかっていただければ。
――物語としても、冷たい世界で熱を見つけていくような方向性ですよね。
Shoon T:熱とか、魚とか、いろいろなモチーフは散りばめていますね。熱を持って生きるけど、でも世界は滅ぼしたい。じゃあ滅ぼすっていうのはなんだろう、みたいな。
「いわゆる“セカイ系”みたいな作品を、いまの時代から描いたらどうなるのか」というのはずっとやりたかったことなんです。なのでこの作品も大まかな筋書きとしては“世界を滅亡させる話”なんですが、そこから得られる体験としては意外と新しいものになるんじゃないかなと思います。

◆雨原玲奈は“ベタ”。デザインの決め手は表情だった。
――あらためてヒロインである雨原玲奈の話も伺えればと思うのですが、まずデザインの形として目指したものはなんでしょうか。
dada:最初はもっと一般的なデザイン案もあったんですが、Shoon Tと話しているうちに「彼女を描くなら、表層に現れない奥行きみたいな部分を表現しないといけない」と思って。なのでデザインを決めるときは、演技から決めていきました。
――演技?
dada:作中で玲奈がするような、いくつかの表情を描いたんです。タバコを吸っていたり、睨みつけていたり。
普通キャラクターデザインって、「アウトラインでシルエットに差がでるか」とか「色のバランスは取れているか」というところから決めていくと思うんですけど、今回のアプローチは「このデザインだとこういう表情をしそうだよな」というところから彼女の姿形、造形を掴んでいくようなやりかたでしたね。

――なるほど、役に対して俳優を決めるみたいな。ちなみにモチーフなどはあるのでしょうか。
dada:彼女が飼っているベタですね。ツインテールとかはヒレのイメージです。
そもそも物語全体として見たときに、玲奈は“東京という水槽の中にいる一匹の少女”というイメージをShoon Tが持っていて。生命力は強いけど、すぐに死んじゃうような。
――わかる気がします。
dada:ただかわいい見た目にすればいいというわけではなかったので、難しかったですね。
Shoon T:そういうドラマ性を持たせながらも、キャッチーに落とし込んでくれるのがdadaさんの作家性なんですよ。
――ちなみに“雨原玲奈”という名前にも何か意味が?
Shoon T:まあ意味は、あるんですけど……。
――まだ今は言えないと。
Shoon T:そうですね。体験版冒頭にも名前に関するくだりがあるように、「名前が持つ意味ってなんだろう」というのも物語上大事な要素になっています。なので、そこも含めてシナリオを楽しみにしていただけるとうれしいです。
――期待しています! あと玲奈で言えば、やはり土屋李央さんの演技が絶妙だなと思いまして。
Shoon T:ほぼ土屋さんファンの方々に向けて作ってるみたいなぐらいの分量もありますしね。一生分聞けるんじゃないか、みたいな(笑)。
――土屋さんのイメージ的にもぴったりですよね。ほぼ当て書きみたいな。
Shoon T:今思えばそうですね(笑)。とはいえキャラクター性やデザインが決まった後に、様々なサンプルボイスを聞いた上で土屋さんにお願いすることを決めたので、「土屋さんを使おう」という形で始まったわけではないです。
dada:全会一致だったよね。
Shoon T:声の印象で「この人だ」って。そこで決まった後に、近いイメージのキャラクターをやられていることを知りました。
――本当にすばらしいキャスティングだと思います。感情の乗せかたも細かいですよね。
Shoon T:ディレクションの中でも、基本的に感情が見えない子だけど、中にある曖昧な感情がちょっとだけ見えるような、そういうことをお願いしながらやったので、すごくいい塩梅に落とし込んでいただけたのかなと思います。
体験版の範囲は日常的なシーンばかりだったので感情も一定でしたが、今後はもっといろいろな面が見えてくると思います。

――楽しみにしています。ちなみに、玲奈が吸っているタバコの銘柄はなんですか?
Shoon T:マルボロですね。ただ、デザイン的にちょっと太さが違うんじゃないかという話があって……もしかしたら変わるかもしれません。
――ありがとうございます。最後にお聞きしたいのですが、現状でもとんでもないボリュームですけど、完成の目途は見えているのでしょうか……?
Shoon T:見えています!
――よかった! 改めまして、本日はありがとうございました!

『Rain98』はPC(Steam)にて2026年発売予定です。
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